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相続に関する法律 韓国⑭
2015年12月28日

 

第5部 韓国法

淑明女子大学 郭 珉希

各国の相続法制に関する調査研究業務報告書より

平成26 年10 月公益社団法人 商事法務研究会

法制審議会-民法(相続関係)部会資料より

 

3 相続の抛棄

 

韓国民法1041 条(抛棄の方式)相続人が相続を抛棄しようとするときは、第1019 条第1 項の期間内に家庭法院に申告しなければならない。

韓国民法1042 条(抛棄の遡及効)相続の抛棄は、相続開始の時にさかのぼってその効力がある。

 

韓国民法1043 条(抛棄した相続財産の帰属)相続人が数人ある場合に、相続人が相続を抛棄したときは、その相続分は他の相続人の相続分の割合に応じてその相続人に帰属する。

 

韓国民法1044 条(抛棄した相続財産の管理義務の継続)①相続を抛棄した者は、その抛棄によって相続人となった者が相続財産を管理するまで、その財産の管理を続けなければならない。

 

②第1022 条と第1023 条の規定は、前項の財産管理について準用する。

相続の抛棄については、民法にその方式と手続きが法定されているので、これに従わなければその効力がない79。相続の抛棄は、相続人の法院への単独の意思表示で、包括的・無条件的にしなければならない。

 

したがって、相続抛棄には財産目録の添付や特定の必要がなく、たとえ相続抛棄書に相続財産の目録を添付したとしても、その目録に記載された不動産及び記入漏れた不動産の諸般事情に照らし合わせて相続財産を参考資料として例示したものにすぎないと判断される以上、抛棄の当時、添付された財産目録に含まれていなかった財産の場合であっても、相続抛棄の効力が及ぶというべきである80。

 

相続人が数人あり、その相続人の一人が相続を抛棄した場合、抛棄した相続分の帰属については、韓国民法1043 条が、他の相続人に相続分の割合で帰属されることを定めている。

 

日本民法にはない規定であるが、相続の抛棄には遡及効があるので始めから相続人とならない結果(日本民法939 条)、韓国民法の定めるのと同様になるはずである。

 

4 相続財産の分離

 

韓国民法1045 条(相続財産の分離請求)①相続債権者又は受贈者、相続人の債権者は、相続開始の時から3 ヶ月以内に相続財産と相続人の固有財産の分離を法院に請求することができる。

 

②相続人が相続の承認若しくは抛棄をしない間には、前項の期間の経過後も、財産の分離を法院に請求することができる。

 

韓国民法1046 条(分離命令と債権者などに対する公告、催告)①法院が前条の請求によって財産の分離を命じたときは、その請求者は5 日以内に一般相続債権者及び遺贈者に対し、財産分離の命令があったこと及び一定の期間内にその債権又は受贈を申告すべき旨を公告しなければならない。その期間は2 ヶ月以上でなければならない。

 

 

②第88 条2 項、第3 項、第89 条の規定は、前項の場合について準用する。

 

韓国民法1047 条(分離後の相続財産の管理)①法院が財産の分離の命じたときは、相続財産の管理について必要な処分を命ずることができる。

 

②法院が財産管理人を選任したときは、第24 条から第26 条までの規定を準用する。

 

韓国民法1048 条(分離後の相続財産の管理義務)①相続人が単純承認をした後でも、財産分離の命令があったときは、相続財産について、自分の固有財産におけるのt 同一の注意をもって管理しなければならない。

 

②第683 条から第685 条までの規定及び第688 条第1 項、第2 項の規定は前項の場合について準用する。

 

韓国民法1049 条(財産分離の対抗要件)財産分離は、相続財産の不動産については、これを登記しなければ、第三者に対抗することができない。

韓国民法1050 条(財産分離と権利義務の不消滅)財産分離の命令があったときは、被相続人に対する相続人の財産上の権利義務は消滅しない。

 

韓国民法1051 条(弁済の拒絶と配当弁済)①相続人は第1045 条及び第1046 条の期間満了前には、相続債権者及び遺贈者に対して弁済を拒むことができる。

②前項の期間満了後に、相続人は相続財産をもって、財産分離の請求又はその期間内に申告した相続債権者及び遺贈者に、それぞれの債権額又は遺贈額の割合に応じて弁済をしなければならない。ただし、優先権を有する債権者の権利を害することはできない。

 

③第1035 条から第1038 条までの規定は、前項の場合について準用する。

 

韓国民法1052 条(固有財産からの弁済)①前条の規定による相続債権者及び遺贈者は、相続財産をもって全額の弁済を受けることができなかった場合に限り、相続人の固有財産から弁済を受けることができる。

 

②前項の場合に相続人の債権者は相続人の固有財産から優先弁済を受ける権利がある。

 

5 相続人の不存在

 

韓国民法1053 条(相続人のない財産の管理人)①相続人の存否が明らかでないときは、法院は第777 条の規定による被相続人の親族その他の利害関係人又は検事の請求によって相続財産管理人を選任し、遅滞なくこれを公告しなければならない。

 

②第24 条から第26 条までの規定は、前項の財産管理人に準用する。

 

韓国民法1054 条(財産目録提示と状況報告)管理人は相続債権者若しくは遺贈者の請求のあるときは、いつでも相続財産の目録を提示しその状況を報告しなければならない。

 

韓国民法1055 条(相続人の存在が明らかになった場合)①管理人の任務は、その相続人が相続の承認をした時に終了する。

 

②前項においては、管理人は遅滞なくその相続人に対して管理の計算をしなければならない。韓国民法1056 条(相続人のない財産の清算)①第1053 条第1 項の公告があった後3 箇月以内に相続人の存否を知ることができないときは、管理人は、遅滞なく、一般相続債権者と遺贈者に対して一定な期間内にその債権又は受贈を申告すべき旨を公告しなければならない。

 

その期間は、2 ヶ月以上でなければならない。②第88 条第2 項、第3 項、第89 条、第1013 条から第1039 条までの規定は、前項の場合について準用する。

 

韓国民法1057 条(相続人捜索の公告)第1056 条第1 項の期間が経過しても相続人の存否を知ることができないときは、法院は管理人の請求によって、相続人があるならば一定な期間内にその権利を主張すべき旨を公告しなければならない。その期間は、1 年以上でなければならない。

 

韓国民法1057 条の2(特別縁故者に対する分与)①第1057 条の期間内に相続権を主張する者がないときは、家庭法院は被相続人と生計を同じくしてた者、被相続人の療養看護に努めた者その他の被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、相続財産の全部又は一部を分与することができる。

 

②第1 項の請求は第1057 条の期間の満了後2 ヶ月以内にしなければならない。

韓国民法1058 条(相続財産の国家への帰属)①第1057 条の2の規定によって分与されなかった財産は、国家に帰属する。

 

②第1055 条第2項の規定は、第1 項に準用する。

 

韓国民法1059 条(国家帰属財産に対する弁済請求の禁止)前項1 項においては、相続財産から弁済を受けなかった相続債権者若しくは遺贈者があるときでも、国家に対してその弁済を請求することはできない。

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