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相続に関する法律 ドイツ⑦
2015年12月27日

 

第1 部 ドイツ法

神戸大学 浦野由紀子

各国の相続法制に関する調査研究業務報告書より

平成26 年10 月公益社団法人 商事法務研究会

法制審議会-民法(相続関係)部会資料より

 

 

 

 

 

 

第7 章 ドイツにおける相続に関する意識・実態

 

 

1 相続に関する意識調査

 

1 Konstanzer Survey による意識調査

 

ドイツにおいて、40 歳以上の人を対象とした相続に関する意識調査55からは、以下の傾向が指摘されている。

 

(1) 相続制度のあり方について

 

回答者の多数は、非婚カップルの一方が死亡した場合に、婚姻夫婦の一方が死亡した場合と同じように、死亡した伴侶(パートナー)を生存している伴侶が相続することにつき、肯定的である。回答者の家族構成で分類すれば、肯定的に回答した人の割合は、核家族世帯では68%、Stieffamilie ( 回答者かその伴侶のいずれか一方に連れ子がいる家族) では76 % 、Patchwork-Familie(回答者とその伴侶の実子およびいずれかの連れ子がいる家族、または、回答者とその伴侶にそれぞれ連れ子がいる家族)では72%、子のないカップルでは81%となっている。

 

また、子の相続権に関しては、約3 分の2 の回答者が、「実の(leiblich)」子と継子は均等に相続できるべきだと回答している56。

 

 

(2) 家族構成と実際の相続形態―とくにStieffamilie やPatchwork-Familie における相続

 

核家族世帯や子のない世帯の回答者に比べ、Stieffamilie やPatchwork-Familie の家族構成をもつ回答者には、被相続人の伴侶が相続において優遇されるべきだという考え方を持つ人は明らかに少ない。また、Stieffamilie やPatchwork-Familie の家族構成をもつ回答者は、現在の伴侶との子の相続権については肯定的だったが、伴侶の連れ子の相続権について肯定する回答者は約40%と低い傾向にある。

 

2 Deutsches Forum für Erbrecht e.V.によるアンケート調査

 

18 歳以上の人を対象とした、Deutsches Forum für Erbrecht e.V.によるアンケート調査(2007年)57によれば、「親の遺産について子は遺留分請求権を有するべきか」との設問に対する回答は「はい」が82.8%、「いいえ」が14.2%である58。

 

 

番人

「直系で引き継いでいきたい、遺留分はある方がいい、っていう人が多いのかな。」

 

 

2 遺言制度等の利用実態に関する調査上述したとおり、ドイツ民法は、遺言や相続契約など、さまざまな死因処分を定めている。しかし、複数の実態調査では、その利用率は必ずしも高くないことが指摘されている。たとえば、Institut Hommerich Forschung によるアンケート調査であるErbrechtliche Vorsorge in Deutschland(2006 年。Deutsche Vereinigung für Erbrecht und Vermögensnachfolge の委託による)では、回答者(1002 人)のうち、遺言書を作成したことがある人は18%、相続契約を締結したことがある人は5%、遺言も相続契約もしたことがない人は74%である。

 

また、Deutsches Forum für Erbrecht e.V.によるアンケート調査(2007 年)59によれば、遺言や相続契約をしている人は、全国平均で25.8%「のみ」であり60、60 歳以上の人でも48.1%「のみ」であるとされている。もっとも、わが国における遺言制度のおおよその利用実態と比較すれば、ドイツにおける遺言制度等の利用率ははるかに高いといえそうである61。

 

各種の死因処分のうち、夫婦共同遺言はもっともよく選択される傾向にあるようである62。

 

 

Institut für Demoskopie Allensbach によるアンケート調査(2012 年実施、回答者1613 人。Postbank の委託による調査)63では、遺言書を作成している人は18%であるが、遺言の半数は、夫婦が互いを単独相続人に指定する旨を定めるいわゆる「ベルリン遺言」である64。また、死因処分を定めている人のうち、5 人に1 人は定期的に遺言内容を見直しており、8 人に1 人(約13%)は遺言を少なくとも一度書き換えたことがあるという。

 

 

すみれ

「遺言か相続契約をしている人は約4人に1人なんだ。思っていたより少ないよ。」

 

 

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