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相続に関する法律 アメリカ⑨
2015年12月25日

 

第4 部 アメリカ法

横浜国立大学 常岡史子

各国の相続法制に関する調査研究業務報告書より

平成26 年10 月公益社団法人 商事法務研究会

法制審議会-民法(相続関係)部会資料より

 

 

2 遺言の作成

 

(1) 方式

 

(a) 認証遺言(witnessed will)

 

UPC は遺言の方式につき、認証遺言(witnessed will)、公証遺言(notarized will)、自筆遺言(holographic will)(以上§2-502)及び自己証明遺言(self-proved will)(§2-504)等について規定を置く。

 

認証遺言の基本的な要件は、一般に①書面の作成、②遺言者による署名、③証人による証言の3 つである。各要件は州ごとに多様であるが、それらのモデルはイギリスのStatute of Frauds(1677)とWills Act(1837)に由来するとされる93。UPC はこの2 つの法律からより要件の緩やかなものをそれぞれ採用する方法をとる。なお、公証人による公証遺言は2008 年のUPC 改訂で加えられたものである。

 

UPC 及び全州法において、認証遺言には遺言者の署名を要求する(UPC§5-502(a))。証人については2 人が一般的であるが、ルイジアナは、2人の証人に加え公証人を要件とする(Louisiana CivilCode§1577)。利害関係を有する証人の忌避につき、多くの州は忌避法(purging statute)を定

め、利害関係を有する者が遺言の証人となった場合、この者が無遺言相続の場合に有する相続分を超えるものを当該遺言によって得たであろうときには、その超える部分について取得する権利を失うとする94。なお、忌避法は、遺言の有効性のために必要な証人についてのみ適用される。

 

 

もし当該遺言が十分な数の利害関係のない証人によって証言されている場合には、利害関係のある証人は定員外と呼ばれ(suprenumerary)、その遺言による自らへの遺贈の全部につき取得する権原を失わない。

 

 

一方、UPC§2-505(b)(1990)は、証人が利害関係を有さないことを要件としない。すなわち、遺言はたとえ利害関係のある当事者によって証言された場合でも有効であり、利害関係のある証人は、たとえ前の遺言や無遺言相続によって得たであろうものより多額の遺贈がなされたとして

もそれを得る権利を失わない。

 

その理由として、利害関係のない証人を要件とすることは、遺言に対する詐欺や不当威圧を回避するのに役立つわけではなく、むしろ、不当威圧の事案では威圧者は証人として署名せず、利害関係のない証人を斡旋するように慎重に行動するであろうと指摘されている95。

 

なお、カリフォルニアは、遺言の証人への遺贈は、当該遺贈が強迫、威嚇(menace)、詐欺、不当威圧によって行われたという推定をもたらすと規定する(California Probate Code6112(2008))。

 

 

 

書面の要件について、遺言は紙の上に書かれる必要はなく、要件となるのは相当な永久性のある遺言の記録となっていることであるとされている96。ビデオや電子媒体による遺言について、UPC では無害の手続的瑕疵のルール(harmless error rule)(作成に瑕疵のある書類も、それが遺言として意図されていることの明白かつ確信を抱くに足る証拠がある場合には、検認を認められてよいとする修正原理)のもとで、議論がなされているが、インディアナのようにビデオ録画を適正な遺言作成の証拠として認める州もある(Indiana Code §29-1-5-3.2 (2008))。

 

また、ネバダは、電子署名が付されたコンピューターファイル形式の遺言を認める(Nevada Revised.Statute133.085(2008))。

 

 

すみれ

「ビデオとかでもいいんだ。映像で遺言か。」

 

 

 

(b) 公証遺言(notarized will)

 

UPC は、2008 年の修正で、2 人の証人又は公証人によって署名された遺言は有効であるとの規定を導入した(§2-502(a)(3))。これは公正証書遺言を認めるものである。

 

(c) 自筆遺言(holographic will)

 

自筆遺言は、遺言者の手書きで書かれ、遺言者によって署名された遺言であり、証人は要しない97。UPC は§2-502(b)でこれを認める。手書きがどこまで要求されるかについて、州法は分かれる。UPC§2-502(b)は、遺言者の署名及び遺言の本質的部分(material portions)と規定する。また、同条(c)項は、自筆遺言についても外部証拠(extrinsic evidence)の原則を認める。

 

ミシガン(Estate and Protected Individuals Code§700.2502(2))等がUPC と同様の規定を置く。一方、ルイジアナ(Louisiana Civil Code§1575)やオクラホマ(Oklahoma Statutes§84-54)のように、署名とともに全文及び日付とも自筆であることを要件とする州もある。

 

 

(d) 自己証明遺言(self-proved wil)

 

遺言が適正に作成されたことは、遺言者の死亡後に証人が裁判所で証言するか又は宣誓供述書によって証明される。証人が死亡等によって証言できない場合でも、適正な遺言作成のための全要件が満たされていることを説明する自己証明宣誓供述書(self-proving affidavit)があれば、遺言の検認は許される。この宣誓供述書は、公証人の前で作成されなければならない。

 

宣誓供述書を付した自己証明遺言はUPC によって導入されたものであるが、遺言の検認を容易にするものとして、諸州によって採用されている。

 

 

UPC§2-504(1990. rev.2008)は、二種類の自己証明宣誓供述書を認める。同条(a)項は、証言条項と自己証明宣誓供述書の結合されたものであり、遺言者と証人(及び公証人)は、その氏名を一度署名すれば済む(一段階自己証明宣誓供述書)。一方、同条(b)項は、すでに署名され証言された遺言に付す分離された自己証明宣誓供述書について規定する。

 

この場合、遺言者と証人が遺言に署名した後で、公証人の前で宣誓供述書が遺言者と証人によって署名されなければならない。この二段階手続の自己証明遺言は、一段階方式のものよりもより多くの州で遺言の方式として認められている98。

 

UPC§3-406(1)(1990. rev.2008)は、遺言が自己証明的なものであるならば、「認証若しくは宣誓供述書に影響を与える詐欺若しくは偽造の証拠がないときには」、遺言の適正作成は争われてはならないと規定する。ただし、UPC§3-406 は、不当威圧や能力の欠如といったその他の理由に基づく争訟を制限するものではない。

 

 

(e) 治癒法理(curative doctrines):実質的な方式遵守と無害の手続的瑕疵裁判所は、時に遺言作成に欠陥がある場合であってもそれを必ずしも無効とせずあるいは修正して、被相続人の真の意思を表す遺言の検認が否定されることを回避する。そのための法理として、裁判実務では実質的遵守法理(substantial compliance doctrine)と無害の手続的瑕疵法理(harmless error rule)が用いられている99。

 

実質的遵守法理は、作成に欠陥のある遺言も、もしその欠陥がなければ制定法上の方式の目的を満たすといえる場合には、制定法上の方式と一致

したものと考えるものである。

 

 

一方、無害の手続的瑕疵の法理は、法律適用免除権限(dispensing power)とも言われるが、裁判所は被相続人が当該書類をその遺言として意図していたという「明白かつ確信的な証拠」(clearand convincing evidence)がある場合には、制定法の方式との不一致を問題にしなくてよいというものである。

 

1990 年のUPC§2-503(1990. rev.1997)やリステイトメント100はこれを規定する。無害の手続的瑕疵法理は、カリフォルニア(California Probate Code §6110(c)(2))、コロラド(Colorado Statutes§15-11-503)等で導入されている。

 

(2) 遺言の解釈

 

(a) 明白な意味の原則

 

遺言の解釈について、明白な意味の原則(plain meaning)(外部証拠否定の原則(no extrinsicevidence rule)と非改訂原則(no reformation rule)がある。ただし今日では、明白な意味の原則のもとでも、遺言の文言が多義的であるか明白な意味が欠けている場合には、外部証拠が許される場合があると解されている。多義性については、明白な多義性(patent ambiguities)と潜在的多義性(latent ambiguitues)があり、前者は遺言の文面に表れているもの、後者は、遺言の条項が遺言者の財産又は指定された受益者らに適用されたときにのみ顕在化するものである。

 

裁判例は、明白な多義性と潜在的多義性の双方の事案で外部証拠を認めてきている101。なおリステイトメントは、§11.2 で「(a)解釈原則又は解釈的優先の原則が適用されない曖昧さは、贈与者の意図が証拠の優越によって証明される限りにおいて、贈与文書の文言を贈与者の意図と一致するように解釈することによって解消される。」とし、同条(b)項で、解釈原則又は解釈的優先の原則が適用されない曖昧さには、文書の文言又は外部証拠から人や財産についての誤った記述のあることが明らかになる場合に生じるもの((b)(1))等が含まれるとする102。

 

(b) 非改訂原則

 

外部証拠を認める傾向は、遺言の非訂正原則にも影響を与え、遺言者の実際の意図に遺言を合致させるために、外部証拠を用いて誤った遺言の文言を修正することが認められるようになってきている。遺言及び信託の誤りを修正する権限については、リステイトメント103やUTC§415(2000)、UPC§2-805(2008)等にも規定が置かれている。

 

UPC§2-805(2008)は、裁判所は、譲渡人の意図と遺言・信託証書等の文言が事実又は法の錯誤によって影響を受けていることが明白かつ確信的な証拠によって証明される場合には、たとえ曖昧さがないものであっても、遺言や信託証書の文言を譲渡人の意図と一致するように改訂することができると定める。このような規定の背景には、税金上の優遇を得るために必要なものとして、遺言及び信託の錯誤を修正することを許す法の姿勢がある104。

 

 

 

(c) 代襲遺贈法(antilapse statute)

 

コモンローでは、遺言者の死亡前に受遺者が死亡したときは、遺贈は効力を失うとされていた。しかし、アメリカではマサチューセッツが最初に代襲遺贈法を導入し、現在ではルイジアナを除く全州で代襲遺贈法が制定され、一定の具体的な状況のもとで、他の受益者(通常は受遺者の直系卑属)が先に死亡した受遺者を代襲することが認められている105。

 

これはコモンローのルールとは異なるものであるが、代襲遺贈を認める背景には、遺言者は遺贈が失効するよりも当該受遺者の直系卑属が遺贈を取得することを望むであろうという考え方がある。UPC は、当初§2-605(1969)で代襲遺贈法を導入したが、その後これは改訂され、現在は§2-603(1990. rev.2008)に規定が置かれている。ただし、これはデフォルトルールであり、遺言者が反対の意思を示していた場合には適用されない。

 

 

すみれ

「子が先に亡くなった場合には孫に、って気持ちを持つ人はいるだろうね。」

 

 

なお、遺言で受遺者が先に死亡した場合に関する指示がされておらず、代襲遺贈法も適用されない場合には、失効した遺贈に関するコモンローのルールが適用される。それによれば、特定遺贈又は包括遺贈が失効した場合には、当該遺贈は残余財産(遺産)となり、残余財産遺贈(residuarydevise)が失効した場合には、遺言者の相続人らが無遺言相続によって取得する。

 

残余財産遺贈で残余財産の一部の持分のみが失効した場合、すなわち2 人の残余財産受遺者のうち1 人が遺言者よりも先に死亡した場合には、コモンローでは、執行した残余財産持分は、残っている残余財産受遺者ではなくむしろ遺言者の相続人に無遺言相続として移転する(no-residue-of a-residue ruleと呼ばれる)106。

 

 

 

 

(d) 集団的贈与(class gift)

 

コモンローの遺贈失効原則(lapse rule)のもとでも、集団的贈与には個別の贈与と異なった扱いが認められる。遺贈がある人々の集団に対してなされ、その集団の一人が遺言者よりも先に死亡したときは、生存している集団の者が死亡した者の持分も含めて当該贈与を分割する。問題となるのは何がその「集団」であるかであるが、ここでも遺言者の意図が、「私の子供たち」というように一定のグループを念頭に置いたものであることが基準となるとされている。

 

UPC は、§2-605(1969)(現§2-603(b)(2)(1990. rev.2008))に集団的贈与に関する規定を置く。そこでは、集団的贈与についても単一世代のグループに対するもの(子供たち、兄弟姉妹等)に関しては代襲遺贈法(antilapse statute)が適用されるとする。

 

 

 

(3) 遺言の構成要素

 

ある証書が州の遺言法の要件と一致していない場合、当該証書はその州における検認の権原を与えられないが、そのような遺言の要式を欠く書類あるいは一定の事実も、誰が遺産中のどの財産を取得するかをめぐり、遺言の内容を決定する上で効力を持つことはありうる。

 

これを認める法理として、①参照による取込みの原則(incorporation by reference)と、②独立の意味を持つ事実の原則(facts of independent significance)がある。なお、この2 つと区別されるものに、遺言統合の原則(doctrine of integration of wills)107と、遺言補足書による再発行の原則

(republication by codicil)108がある109。

 

①の参照による取り込みについては、UPC§2-510(1990)が規定を置く。それによれば、遺言が作成された時に存在している書面は、当該遺言の文言が参照の意図を明示し、その同一性を許すに十分な記述がなされているときは、参照によって取り込まれる。

 

②の独立の意味を持つ事実は、ある遺言によって受益者又は移転される財産を特定するための外部証拠を許す法理の一つである110。遺言への効果とは無関係に、遺言者の生存中の動機となり重要性を持つ行為又は出来事によって受益者や財産の指定が認定できる場合、当該遺言による遺贈は、独立の意味を持つ事実の原則(非遺言行為の原則(nontestamentary acts))により有効となる。

 

 

3 遺言の撤回

 

(1) 撤回遺言と撤回行為

 

遺言者は、生存中に遺言を修正し又は撤回することができる。全州において、遺言の要式を備えた新たな遺言又は遺言書の破棄、抹消、焼却等の物理的行為による遺言の撤回を許す法律が置かれている。なお、口頭の撤回は詐欺につながる懸念があることから、認められていない。

 

UPCは§2-507~§2-509(1990)で遺言の撤回及び撤回された遺言の復活について規定する。それによれば、前遺言を全部撤回する旨の後遺言が撤回行為によって撤回された場合には、前遺言は原則として撤回されたままである。ただし、後遺言の撤回の状況又は遺言者の表明により遺言者が前遺言が効力を有すること意図していたことが明らかである場合には、前遺言は復活する(UPC2-509(a))。

 

一方、前遺言を一部撤回する後遺言が撤回行為によって撤回された場合には、遺言者が撤回された部分の復活を意図していなかったことが後遺言撤回の状況や遺言者の表明により明らかでない限り、前遺言の撤回された部分は復活する(UPC§2-509(b))。

 

 

 

(2) 家族関係の変化による撤回

 

諸州法は、家族関係や状況の変化による遺言の法定撤回(revocation by operation of law)を認める。配偶者への遺贈の離婚による撤回等がこれにあたる。州法の多くは、離婚は、離婚した配偶者のためになされた被相続人の遺言のいかなる条項をも撤回するとの規定を置く。

 

それに対して一部の州には、離婚が財産の清算を伴う場合にのみ撤回が生じるとするところもある。UPCは、遺言等の証書、裁判所の命令又は婚姻・離婚・婚姻取消の前後に配偶者間でなされた婚姻財産の分配に関する契約において明白な文言による取決めがある場合を除き、配偶者に財産を与え

又は受託者等に指名する処分等は撤回されると定める(§2-804(b))。UPC はこの離婚等による婚姻の解消による撤回及び遺言者の殺害等による撤回の場合(§2-803.前述第2 章23(1)参照)以外に、その他の家族関係の変化による撤回を認めていない(§2-804(f))。

 

 

すみれ

「結婚の関係がなくなると、遺言もなかったことになるんだね。」

 

 

 

なお、この法の適用による撤回規定は遺言にのみ適用されるのか、生命保険、年金プランその他の非検認の財産移転にも適用されるのかという問題がある。多くの州法は非検認譲渡への適用に否定的であると言われているが111、UPC は§2-804(1990)で、この法定撤回は遺言と同様に非検認譲渡(信託、保険、年金、POD 契約等)にも適用されると規定する。

 

 

(3) 遺言作成後の遺産財産の変動

 

遺言がある財産の特定遺贈を含んでいたが、遺言者が死亡前にそれを売却し又は贈与したときはどうなるか。伝統的な同一性の法理(identity theory)のもとでは、不動産や動産の特定遺贈は、滅失による遺贈撤回の原則に服する(ademption by extinction)。

 

すなわち、特定遺贈された物が遺言者の遺産中にない場合、当該遺贈は撤回されたものと解される。この原則は、特定遺贈にのみ適用される。

一方、より現代的な遺言者の意図の法理(intent theory)では、特定遺贈されたものが遺言者の遺産中にない場合、受益者は元の物の代位物かその金銭価格を請求する権原があるとする。

 

ただし、受益者はこれが遺言者の意図であることを証明しなければならない。UPC はかつては同一性法理に拠っていたが(限定的な例外について、UPC§2-608(a)(1969.rev.1987))、1990 年の改訂で遺言者の意図の法理に転換している。

 

そこでは、推定と立証責任の負担によって、基準がより和らげられている(同一性法理の例外を法典化し(§2-606(a)(1)-(4)、(b))、財産の代位物に関する例外規定を置く(§2-606(a)(5))。さらに、金銭による支払いについても規定する(§2-606(a)(6))。遺言者の意図の法理はリステイトメントによっても採用されている112。

 

 

 

4 相続に関する契約

 

遺言をする契約又は遺言を撤回しない契約をする場合があるが、これらには遺言法ではなく契約法が適用される。契約を執行するためには、第三者である受益者は、契約法に従って訴えを提起し、有効な契約であることを証明しなければならない。

 

契約が拘束力を持った後に、一方当事者がそれと合致しない遺言を残して死亡したときには、その遺言は検認手続に付されるが、契約による受益者は契約違反に対する損害賠償を請求する権利を有する。裁判所は、遺産又は受益者に擬制信託(constructive trust)を設定し、現実履行を命じ、損害賠償を認め、又は様々な形式の差止命令による救済若しくは宣言による救済を与えてよいとされる113。

 

 

すみれ

「遺言をする約束をして遺言を書くのか。ややこしいな。先にあげる契約してあげちゃった方がいいんじゃないの。」

 

 

遺言を撤回しない旨の契約の典型は、夫婦が共同遺言(joint will)ないし相互遺言(mutual will)を作成する場合である114。共同遺言は、2 人の者が一つの証書を双方の遺言として作成するものである。一方の遺言者が死亡したときは、当該証書はその遺言者の遺言として検認され、その後他方の遺言者が死亡したときには、当該証書はその遺言者の遺言として再び検認される。

 

それに対して、相互遺言(互恵遺言)は、2 人以上の者が独立になすが、同様の若しくは互恵的な条項(ミラーイメージ)を含む遺言をいう。相互遺言は一般にしばしば行われている。

 

 

共同遺言や相互遺言は、当該遺言を撤回しないという当事者らの契約に従って作成されたわけでなければ、特に法律上問題にならない。多くの裁判例は、共同遺言又は相互遺言を単に作成しただけでは、撤回しない旨の契約があったとの推定は生じないとする115。しかし、ながら、共同遺言の場合には、共同で作成された証書を使用することがそのような了解や合意を含みうるものであり、黙示の契約を認める余地が生じうる。

 

多くの州では、詐欺防止法(statute of frauds)を制定し、遺言に関する契約はすべて書面で記録されるか又は遺言中で参照されることを要件とする。UPC§2-514(1990)も同様である。ただし、たとえばカリフォルニアは、2000 年の法改正により口頭の契約も認めている(California Probate

Code§21700(2008))。

 

なお、遺言を撤回しないという契約は、当該契約が拘束力を生じた後に、一方当事者が当該契約と一致しない遺言を作成して死亡したときは、破棄されたものと解される。

 

 

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