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認知症・亡くなった後に備えて 
2015年11月27日

 

 

 

「この女の子は友だちをたよりにしています。じぶんの時間を他人のために使うのがすきです。しかし考えてみるに、もし時間をさいてやるあいてがひとりもいなくなってしまったとしたら、どうなるでしょうか?

この子が自由意志でわれわれの計画を援助することはないいいじょう、われわれは友だちのほうをつかまえておくべきでしょう。」

 

提案者は書類かばんからファイルをとりだしてひらきました。

 

「とりわけ重要なのは、道路掃除婦ベッポとかいう男と、観光ガイド、ジジなる人物です。それからここに、モモのところにいつも遊びにくる子どもたちの、かなり長いリストもあります。これでおわかりのとおり、諸君、たいした難問ではありません!

われわれはこれらの人間をすべて、手の届かないようにひきはなしてしまえばいいのです。そうすれば、あわれにもモモは完全にひとりきりになってしまいます。そうなったら、いくら時間があろうと、なんになるでしょう。そんなものはもてあます。いや、呪いたくさえなるでしょう!おそかれはやかれ、それに耐えきれなくなります。そうなったとき、諸君、われわれが出ていって、こっちの条件を持ちだすのです。わたしは十分の一秒にたいして一千年の時間を賭けてもいい、モモは友だちをとりもどすためとあれば、かならずやわれわれに、あの道を教えるでありましょう。」―「モモ」ミヒャエル・エンデ―

 

 

 

 

アパートを持っています。全部持っているわけではなく、共有持分を持っています。2分の1は私。2分の1は次男が持っています。アパートの管理は今のところ、私がやっています。その他に、今までの分の預貯金があります。長男は私より先に亡くなり、長男には息子がいます。10歳です。長男の嫁とは今でも会い、孫の教育や私たちの面倒などよく見てくれています。長女は結婚してイギリスにいます。たまに帰ってきてご飯を一緒に食べたりします。生活はずっとイギリスになるのではないでしょうか。

私は82歳です。いつ認知症になるか分かりません。私が亡くなった後は、アパートは次男に、長男の息子と長女には預貯金を分けたいと思っています。父の件があったので、相続では揉めて欲しくないと思います。

 

 

ポリー

「まず、おばあさんが何もしなかった場合について説明します。おばあさんが認知症になった場合、アパートの管理は次男か法定後見人がします。修繕が必要になった場合、次男が後見人になった場合は、一人で契約して行うか、他の法定後見人と一緒にします。法定後見人は、今までのおばあさんの管理方法を参考に、家庭裁判所と連携して、おばあさんの不利益にならないように努めます。亡くなった後、アパートの共有持分を誰が持つかは、次男と長男の息子、イギリスにいる長女の3名が話し合いで決めます。アパートを誰が持つかによって、預貯金の分け方も変わってくるかもしれません。」

 

 

ポリー

「次に、おばあさんが家族信託以外の方法を利用した場合の考え方です。

まず、ゆいごんでアパートは次男に、預貯金は長男の息子と長女に、と分け方を指定します。

次に、次男か、又は長男の嫁と任意後見契約をします。契約の中にアパートに関する代理権を与えます。認知症になった場合は、任意後見人がアパートの管理とおばあさんの医療契約などをします。修繕が必要になった場合、代理権の範囲や契約の定めによって、任意後見人は任意後見監督人を通して家庭裁判所と連携しながら、修繕を判断します。ペンキ塗り替えの場合は事前に報告する、建て替えの場合は監督人に相談する、同意をもらう、おばあさんの代わりになってもらって、次男と一緒に契約してもらうなどです。

亡くなった後は、ゆいごんにより、アパートは次男に、預貯金は長男の息子と長女に引き継がれます。」

 

 

ポリー

「最後に、家族信託を利用した場合の考え方です。まず、ゆいごんを作ること、任意後見契約をすることは先と同じです。任意後見契約の中でアパートに関する代理権は外しておきます。

そして、アパートを次男に信託します。家族信託することにより、アパートの名義は次男1人となり、修繕・建て替えなどは次男一人で行います。賃料は、次男と同じにするか話し合いで決めます。アパートに関する共通の話題を持つことにします。

預貯金は、次男又は長男の嫁に信託し、長女に引き継ぐ分は一度に渡し、長男の息子に渡す分は、長女と同じように、又は定期的に教育資金として使うように契約で定めておきます。預貯金については、家族信託契約の中で亡くなった後にあげますという契約をしておくことで、金融機関で相続人全員の印鑑を必要とせず、引き出して葬儀費用にあてることができるようにしておきます。」

 

 

 

 

 

 

 

 

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参考:

「後見監督ハンドブック」

2014 公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート