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民事信託手続準則案5
2019年12月27日

 

 

5 司法書士の品位保持義務

 

司法書士は、自己の経済的利益を図る目的で親族間信託組成支援業務を不当に誘致するため、利用者に対して、あたかも親族間信託が万能であり、デメリットがないかのように誤認させ、また、親族間信託を利用すれば成年後見制度が全く不要となると誤認させ、あるいは、一方的に成年後見制度を批判し、専門職後見人を貶め、自らの親族間信託の組成支援報酬金額を不当に成年後見人報酬が高額であると誤認させることで、成年後見制度のネガティブなイメージを世間あるいは利用者に流布し、公益制度である成年後見制度の運営を阻害し、成年後見離れのごとき風潮を助長することのなきように配慮し、法律家としての品位を保持し、他分野の専門業務や公益業務を尊重しなければならない。

 

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整理してみます。

 

1.司法書士が親族間信託支援業務を誘致するために、やったらダメなこと

  • 利用者に対して、あたかも親族間信託が万能であり、デメリットがないか

のように誤認させること

 

2.利用者に対して、親族間信託を利用すれば成年後見制度が全く不要となると誤認させること

 

3.一方的に成年後見制度を批判し、専門職後見人を貶め、自らの親族間信託の組成支援報酬金額を不当に成年後見人報酬が高額であると誤認させることで、成年後見制度のネガティブなイメージを世間あるいは利用者に流布すること

 

守ること

  • 公益制度である成年後見制度の運営を阻害し、成年後見離れのごとき風潮を助長することのなきように配慮し、法律家としての品位を保持し、他分野の専門業務や公益業務を尊重すること。

 

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やったらダメなこと、1に関してはセミナーなどでメリットなどを話しておいて、相談、受任の直前位にデメリットを言うことです。説明はした、と言い張ることも出来るかもしれませんが、後で言わなくてもいいのにと利用者は思うかもしれません。また、デメリットが原因で全て白紙になるかもしれません。

 

それなら、最初から言っておいた方が、私達司法書士にとっても時間の無駄が少なくなります。

 

 

やったらダメなこと、2に関しては成年後見制度と比較することはよくあります。相談する人が成年後見制度を知っている場合です。

知らない場合は、成年後見制度の説明から始めることが必要です。

違いと共通点などを説明していきますが、私は、お金(最初にかかる費用と運転資金など)については、あまり変わらないと伝えています。

 

あまり変わらないというのは、先のことは分からないというところがあまり変わらないということです。

 

 

 

やったらダメなこと、3に関しては成年後見人に就任したことがない人や、たくさん就任して嫌な思いをしてきた人、不動産登記を主にしていて成年後見制度が原因で決済が出来なかった人などが多いような気がします。

 

成年後見制度に関しては、2019年の改正後も批判があるのは事実です。

 

これは専門職のみではなく、市民の間でも批判的な立場で後見制度を取られる方がいます。

 

完璧な制度はなく、禁治産・純禁治産制度から少しでも進んでいる点をみながら説明する必要があります。

私も成年後見制度に関しては思うところがありますが、可能な限りどのような制度なのかの事実に絞って話すようにしています。

 

守ること1、に関しては自分で敵を増やすことになるのであまりお勧め出来ません。

 

 

 

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参考

渋谷陽一郎「民事信託支援業務の手続準則試論(1)~(3)」『市民と法』№113~№115(株)民事法研究会