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配偶者なき後支援信託と小さな魔女
2015年10月21日

 

 配偶者なき後支援信託と小さな魔女

 

1つの方法として、家族信託

 

さいごにわらうものは・・・

 

「ぼくは悪運のくっついたカラスだ!」

あれ野のなかの赤い岩のかげの十字路わきで、どんなめにあったかを、小さい魔女からきいたとき、いさましいアブラクサスは、うめき声をあげました。

「ぼくのせいだ!ほかのだれでもない、・・・ぼくのせいだ!いつでもかならず、いいことだけに魔法をつかえなんて、あんたに忠告したのは、このぼくなんだ!

ああ、なんとかして、あんたをたすけられるものならなあ!」

「それは、わたしが、じぶんでやらなきゃならないわ。」小さい魔女はいいました。

 

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旦那さんや、奥さんに認知症の診断が。

成年後見制度とは関係なく、私が亡くなっても、旦那さんが希望するなら自宅で暮らしてほしい。

 

成年後見制度とは関係なく、私が亡くなっても不動産の管理、修繕、場合によっては処分ができるように、子供にお願いしたい。

私が亡くなって奥さんと子どもに相続分が分かれると、不動産の管理に支障が出るかもしれない。

 

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「やりかたは、まだわからないけど、・・・でも、木にしばりつけるなんて、そんなこと、ぜったいにさせないわ!」

魔女はへやのなかにかけこんで、机のひきだしから、魔女の本をとりだしました。

そして、いっしんにページをめくりはじめました。

 

「ぼくもつれてってくれる?」とアブラクサスは、たのみました。

「どこに?」

「ブロッケン山にだよ!今晩、あんたをひとりぼっちにしたくないよ。」

「いいわ。」小さい魔女はいいました。「いっしょにつれてくわ。でも、ひとつ条件があるわよ。・・・あんたが、これから、くちばしをしめて、わたしのじゃまをしないことよ!」

 

アブラクサスは、だまりこみました。

小さい魔女は、魔女の本によみふけっています。ときどき、なにかぶつぶついっています。

カラスは、わけがわからなかったけれど、ききたい気もちを、ぐっとおさえつけました。

こういうようすが夜までつづきました。

 

それから、魔女は、たちあがっていいました。

「よーし、これでよくわかったわ!・・・さあ、それじゃブロッケン山にとんでいこうよ!」

ブロッケン山には、まだほかの魔女のすがたはありませんでした。魔女たちは、真夜中の十二時までまっていなければなりません。そのまえに、ほうきにのって、とんできてはいけないんです。それはワルプルギスの夜の魔女のしきたりで、そうきまっているんです。

 

小さい魔女は、山のてっぺんにこしかけて足をのばしました。

 

「あんた、はじめないの?」とアブラクサスがききました。

「はじめる?」と、小さい魔女はいうんです。「なにをさ?」

「たきぎあつめをさ!・・・たきぎを、山ほどあつめるんじゃないのかね?」

「まだ、時間があるわ!」

 

小さい魔女はさけんで、にやっとわらいました。アブラクサスもいいかえしました。

「でもさ、もうま夜中まで一時間しかないよ!ちょうどいま、下の谷で十一時の鐘がなったよ!」

「十一時半のも、そのうちになるわ。」小さい魔女はいいました。「まかしといて。たきぎの山は、時間どおり、ちゃんとできるから。」

「そうなりますように!」

 

アブラクサスは、ガアガアとなきました。小さい魔女が、まるでおちついているので、アブラクサスは、だんだん、きみがわるくなりました。うまくいきさえすればいいけど!

下の谷で十一時半がなりました。

「はやくおやりよ!」アブラクサスは、さいそくしました。「もう三十分しかないよ!」

「十五分でじゅうぶんよ。」小さい魔女ときたら、がんこにいうのです。

 

さて、十一時四十五分の鐘がなりますと、小さい魔女は、ぴょんとたちあがりました。

「さあ、たきぎをあつめようか!」

魔女はそうさけぶと、呪文をひとつ、となえました。

すると、あっちからも、こっちからも、たくさんとんできます。

ポキン、ガタガタ、パチパチと音がします。

いやはや!すごいさわぎでおちてきて、そこにつみかさなったとみるまに、高い山になりました。

「おや、まあ!こりゃ、なんだ?」アブラクサスがさけびました。「これ、ほうきじゃない?」

「そうよ、ほうきよ。・・・大きい魔女たちの、魔女のほうきよ!わたしは、魔法をつかってね、すっかりブロッケン山によびよせたのさ。ほら、そこにある長いやつが魔女のおかしらのほうきだわ。」

 

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まだ元気な方と子供で、遺言代用信託の契約を締結します。2番目の受益者はこどもにします

元気だった方が認知症になっても、受益者代理人という方と受託者という方が、不動産や他の財産の管理を信託の目的に従い行ってくれます。例えば、自宅やアパートの修繕、新築。お孫さんへの教育資金。魔法のほうき。

 

信託財産という財布に入った財産は、家族のために活かされます。

 

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「これは、・・・どういうわけ?」きもをつぶして、カラスのアブラクサスはききました。

「これに火をつけるのさ。」小さい魔女はいいました。「ねえ、どう思う?きっとよくもえるわよ!でも、それにはやっぱり、靴もいるわね。」

小さい魔女は、第二の呪文をとなえました。

おやまあ、空のほうで、ザワザワ、シューシューと音がします。

まるでばかでかいコウモリのむれみたいなものが、

つばさをバタバタさせながら、

あたりいったい森の上をただよって、山のてっぺんを

とんできます。

 

 

「どんどん、とんでこい!」と、

小さい魔女はどなりました。「そ

して、シューッ!と、ほうきの山

におっこちろ!」

それは、大きい魔女たちの魔女の本でした。小さい魔女は、みんな魔法でよびよせたのです。

「いったい、どうするのさ?」と、アブラクサスは、かなきり声をあげました。「あんた、大きい魔女たちにころされちゃうよ!」

「ざんねんでした!」

小さい魔女は、そうさけぶと、第三の呪文をとなえました。

 

 

この第三の呪文は、いちばんうまい呪文でした。この魔法をつかって、大きい魔女たちに魔法ができないようにしたのです。

もう、大きい魔女なんて、だれひとり魔法がつかえません!それに、魔女の本もないんですから。また魔法をならおうとしたって、どうにもならないんです。

谷で十二時の鐘がなりました。

「さあ、いいわ。」と、小さい魔女は、ごきげんで、声をはりあげました。「はじめようじゃないの!ワルプルギスの夜、ばんざーい!」

大安売りのヤーコプから買ってきた、あのマッチをすって、魔女は、ほうきや本に火をつけました。

この魔女のたき火ときたら、このうえなくすてきなものでした。

 

 

シュッシュッ、パチパチ、音がして、ほのおは空高くあがりました。

こうして、朝がやってくるまで、小さい魔女はたった一人で、カラスのアブラクサスといっしょに、もえさかる火のまわりをおどりまわりました。

いまこそ、小さい魔女は、この世の中で魔法を使える、たったひとりの魔女でした。きのうまでは、大きい魔女たちに、さんざんわらわれたものですが、こんどは、こっちがわらう番です。

「ワルプルギスのよーる!」

小さい魔女は、ブロッケン山の上から、よろこびの声をひびかせました。

「ワルプルギスの夜、ばんざーい!」

(おわり)

 

「小さい魔女」さいごにわらうものは・・・より

オトフリート=プロイスラー 大塚勇三/訳 (株)学習研究社 1994