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家族信託の融資について、受託者(債務者)が亡くなって新受託者が就任した場合、受益者にも債務履行を請求できるのか。
2017年06月21日

 

 

 

 

(1)信託行為後の融資

(2)受託者は信託財産のためにする意思で融資を受けた

(3)融資は受託者の権限内の行為

(4)融資された金銭は信託財産責任負担債務となる

(5)信託口口座へ入金がされている

(6)限定責任信託ではなく、責任財産限定特約もされていない

(7)受益者は連帯債務者、連帯保証人、担保設定者ではない

(1)から(6)の事実を前提とします。

 

 

1、受託者(債務者)が死亡した場合、後任の受託者が就任を承諾すると、債務はその時点で自動的に後継受託者には移らないと考えることができます。後継受託者は、自らが債務者となって債務を負ったわけではないからです。

 

2、債務は死亡した受託者の相続人に及びます(信託法76条、民法896条)。

 

3、債権者は、死亡した受託者の相続人に対して債務の履行を請求することができます。

 

4、また相続人が債権者に対して債務の履行を行った場合、新受託者や信託財産法人管理人に償還を請求することができます(信託法75条6項)。

・ただし、受益債権など、信託財産に属する財産のみを持って履行する責任を負う債務については、前受託者は履行責任を負いません。

 

5、したがって、受益者が亡くなった受託者の相続人でない限り、受託者(債務者)が亡くなって新受託者が就任したという理由において、債権者は受益者に対して債務の履行を請求することはできないと考えます。