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成年被後見人等になると、借入行為などができないのか。
2017年06月17日

 

 

 

成年被後見人等になると、借入行為、借入れの更新・契約変更等ができないのでしょうか。

民事信託・家族信託をする理由として、挙げられることが多いようです[1]

 

私が書くのであれば、成年後見開始の審判が下りると、原則として借入行為などは家庭裁判所の承認が必要です、となります。

また、居住用不動産に関しては家庭裁判所の許可、親族が関わっていると特別代理人の選任申立が必要となり、時間と手間がかかります。

 

また、成年後見制度の実務は遺言をないがしろにし、本来の制度理念からかけ離れた使い方が始まっているとの指摘もあります[2]

しかし、法定の成年後見人が就任して、遺言を見つけた、見つけられる状態にあったのに、それを無視して遺言と異なる事務行為をしたのが何件あったのか、については記載がありません。

 

本来の制度理念からかけ離れた使い方が始まっているということに関しても、それは何件ほどあるのか、いつ頃から始まっているのか、許容範囲か、許容できないとすればどの程度か、後見制度支援信託の導入以外に何か対応はしたのか、その結果で改善は出来たのか、さらに別の方法で改善が必要なのか、ということには触れられていません。

 

家族信託・民事信託でも同じですが、どの制度でも完璧はありません。どの程度のリスクを考えて運用していくことかを考えるのが専門家だと思います。そして与えられている条件を使って、失敗しながらも致命傷となる失敗を避けるべく実務をこなしていくのが実務家だと考えます。

 

 

 

そして私が違和感を覚えるのは、著者が成年後見人に就任して経験をしてことがないのではないかということです。経験に基づく記載を見つけることができません。それで見ていてかわいそうなくらいに頑張っている人もいるのに(私の近くにいます。)、一括りにして上から目線で批判するのがどんなものだろうと思ってしまいます。

 

検察、公証人出身の弁護士ということで、司法書士などから信頼が厚いのではないかと思いますが、肩書に関係なく1年半の間に3冊も同じ題名の本を出版したり、遺言信託が信託の本質だと言っていたのが、2~3年で信託契約が本当の信託だと言ったりころころ変わるなというのが印象です。

 

 

 

[1]平川忠雄、遠藤英嗣、中島孝一、星田寛『民事信託実務ハンドブック』2016日本法令P17

[2] 遠藤英嗣『新しい家族信託』2016日本加除出版 前書き P9