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信託財産
2017年06月03日

 

 

・なぜ、信託するには財産が必要なのか。財産がなくても達成できる目的はあるのではないか。

 

 

 

・信託設定時の信託財産

要件(1)、(2)をいずれも満たすこと[1]

(1)金銭に見積もりうる

(2)他の人に移転することができる

満たす例:お金、不動産、債権など。

満たさない例:生命、譲渡制限や禁止条項のついた債権など

というのが、通説ですが、(1)は、誰にとって金銭的な価値があればいいのでしょうか。

 

信託財産は、①委託者の財産から分離可能②受託者による管理ができる③承継できる価値がある、の3つがあれば良いという見解があります[2]。例として価値のない紙幣や大事な系譜の一部を挙げていますが、委任契約や遺言、法人制度の利用で可能と考えられます。

 

受益者連続型の信託利用を想定しているとしても、受益者は受益権を放棄することができるので、遺言の付言事項や委任契約の付随条項で定めることもできます。条件付きの贈与契約も締結できます。また、受益者のためになるのか、受託者の財産と別扱いで管理する意味はあるのかを考えると妥当とはいえないと考えることができます。

 

なぜ財産を信託財産にしなければならないのかを考えると、信託財産の要件としては①目的達成のために、委託者の財産から分けることが必要であり(委託者の破産や死亡など)、②管理処分行為を託された者については、利益を受ける者のために適切な義務を規定することができる財産であることが必要(お金、不動産など)、との結論を出すことになると考えます。

 

誰にとっては、受益者にとってとなり、付随して信託目的のために、と付け加えることが妥当ではないかと考えます。

 

 

 

 

[1]四宮和夫『信託法〔新版〕』1989有斐閣P133

[2] 遠藤英嗣『新しい家族信託』日本加除出版P102