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民事信託・家族信託の標準化研究事業
2017年05月19日

 

 

【事業の方針】
1、民事信託・家族信託に関する書類や業務規程などの標準化の研究・実践を行い、国民が利用し易い日本の社会インフラとして国益に資すること。

2、情報を積極的に公開、提供し、試行錯誤して、沖縄県を信託に関する人・情報が集う場にすることで県益に資すること。

3、高齢化社会を乗り越え、次世代に負担をかけない社会を目指し、資産承継の円滑化に寄与すること。
備考:
標準化を目指すことの記載がある主な文献

 

 

『民事信託の理論と実務』日本加除出版(株)P22「民事信託は、商事信託と異なり約款等による契約の標準化がなされないため、契約コストが大きくなると同時に、不備の可能性も高まる。このため、弁護士・司法書士や研究者が率先してさまざまな種類の民事信託にかかる契約を起草・公開して、契約内容の標準化を図る努力が欠かせない。」
同書P278「なお、こうした自己信託の持つ匿名性は財産秘匿等の濫用に対する抽象的な懸念につながる。少数の不適切な利用例のために自己信託全体が「いかがわしいもの」と見られることのないよう、制度に対するリテラシー向上のための努力や設定証書の標準化等の努力が欠かせない。」大垣尚司立命館大学教授のコメント

 

 

 

 

 

 

渋谷陽一郎『民事信託における受託者支援の実務と書式』(株)民事法研究会
P12「民事信託のベストプラクティス③ 標準的な信託条項は存在するか それぞれの信託財産の信託類型に応じて民事信託の信託条項は、実務上、標準化されつつある。民事信託は長期にわたる財産管理の仕組みとして、実務に必要不可欠な信託条項がある。そのような必要不可欠な信託条項は、個別の信託でさほど異なるわけではない(微調整は必要となろうが)。独創的な信託条項をつくろうとして、必要不可欠な信託条項を欠落させてしまっては元も子もない。まずは標準化されつつある信託条項が、実務上、どのように機能しているのかを理解したい。

なお、標準化された信託条項の場合、―略―契約締結事務の法律事務性が低くなるので、当該契約に対する支援者の範囲を広げることになりうる。いわゆるオーダーメイド型の契約書の起案は、実質的に新たな法律関係の形成に関与することになる場合があり、法律事務として当該契約に対する支援者の範囲を狭める結果となろう。」

 

 

 

 

 

『高齢社会における信託制度の理論と実務』日本加除出版(株)P131~
「家族信託を普及するために、考えるべきことは、「単純でわかりやすい信託契約」を作成することである。まず信託目的を絞ること。様々な目的を一つの信託契約に盛り込もうとしても、複雑でわかりにくくなり、想定外の事態に対処することが困難になる。

また、受託者や受益者は複数を避けたり、信託期間も出来るだけ短い期間としたり、受託者の変更などはなるべくせず、受託者や受益者の死亡など、異例な事態が生じた場合には、ただちに終了にすることなどの考慮が必要である。

そして金融機関としての「ひな形」を作成しておき、個別の信託契約の大きな差異が生じないようにすることが必要と思われる。」吉原毅城南信用金庫相談役「家族信託の発展と金融機関の対応について」より一部抜粋

 

 

 

渋谷陽一郎『民事信託のための信託監督人の実務』P17
「財産管理の実務はアートではない。民事信託の契約書は、具体的で継続的な民事信託の現実の実務の集積の上に成り立っている。個々のリスクが検証され標準化された民事信託の契約書があり、それを事例に応じて修正することで個別の民事信託契約書ができる。-中略―また、各資格者の業務の適法性のためにも、標準化が必要となる」

 

 

渋谷陽一郎『民事信託の実務と書式』2017民事法研究会

P43「支援者業務の価値(報酬額)を高めるため信託契約のオーダーメイド性が強調される場合があるが、その結果として、法律事務や法律相談に関する規制処方(代表的には弁護士法72条本文など)に抵触するリーガル・リスクを高めるというパラドクスがある。民事信託の普及のための標準化(それによる低額化)が重要なゆえんである。」

 

 

否定的な考え

 

・宮田浩志『家族信託まるわかり読本』2017近代セールス社P111~

「問題の多い契約書のひな型がインターネットや書籍等で出回っているのも事実です。」

 

・(公財)トラスト未来フォーラム 2017年8月29日(標準化はされているという認識)

「弁護士の伊庭潔先生が、『民事信託の実務と信託契約事例』という書籍を、本年3月にご出版されていらっしゃいますし、昨今では、民事信託に関する類似の書式集やハンドブックといった書籍について、相当の種類を書店で見かけます。

 

以前は、信託に関する書籍(特に民事信託の設定に関するもの)は殆ど見かけませんでしたが、最近はこのようにかなりの書籍が出版されているので、それぞれ視点等は異なるのかもしれませんが、多くの先生方がこのような試みをされているのではないかと思われます。」