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ネパール 民法典草案8 用益権
2016年04月11日

2016年加工編

法務省調査研究報告 ネパールにおける現行民事法の現状と今後の立法動向より抜粋

 

 

 

 

第7項 用益権
民法典は用益権(usufruct)について規定を設けた。これは現行法にはない,新たな 制度の導入である。実際に用益権に対するどのような需要がネパール社会あるのか, また,今後民法典が施行され,この制度が導入された場合に,どのような形で利用され,普及してゆくかが注目される。
用益権は契約または遺言によって設定され,ある財産の所有者Aが他人Bに対し, 当該財産から得られる果実,便益,収入,利用利益等を獲得させるものである(草案 371 条,372 条)。用益権者Bは,あたかも所有者と同様に,当該目的物を利用し, 果実等の利益を享受することができる。

 

 

 

 

ただし,用益権者は,目的物の性質により, または所有者の事前の同意がなければ,目的財産自体を変更したり,損傷するような利用をすることはできない(草案 376 条)。

用益権の存続期間は契約または遺言によって定められるが,そのような定めがない場合は,用益権者が自然人のときは用益権者が死亡するか,用益権が効力を生じてから 49 年間が経過するか,いずれか早い期限の到来時点で終了する(草案 382 条 1項 a号)。

 

 

 

用益権者が法人のときは,法人が解散するか,用益権が効力を生じてから 29年間が経過するか,いずれか早い期限の到来時点で終了する(草案 382条 1 項 b号)。用益権者が服するある場合は,契約ま たは遺言に別段の定めがない限り,死亡または解散によって用益権を失った者の持分 は所有者に復帰する(草案 382条 3 項) 。

 

 

 
ポリー
「50年は長いという感覚ですね。」

 

 

 

用益権者は目的物の賃貸や担保設定をすることもできる。そのためには証書を作成 し,登記する必要がある。ただし,賃料が月額 1,000ルピーを超えない場合は,証書の作成を要しない(草案 377条)。また,賃貸や担保設定をしたときは,用益権者は所有者に通知しなければならない。
さらに,用益権の有効期間を超えて存続するよ うな賃貸や担保設定はすることができない(草案 377条 1 項)。また,賃貸や担保設定の証書には,目的財産が用益権の対象財産であることを示さなければならない(草 案 377条 2項)。これに反する賃貸借や担保設定は無効である(草案 377 条 3項)。
不動産に用益権を設定する場合は,証書を作成し,登録しなければならない(草案 373 条 1項)。家族共同財産に用益権を設定する場合は,家族員の同意を得なければならない(草案 373条 2 項)。用益権者は,所有者と同様の注意義務を負う(草案 378 条 1項)。
また,財産の維持に必要な費用を負担しなければならない(草案 378条 3 項)。なお,目的財産自体の財産税は所有者が支払うが,収益に対する毎年の課税は用益権者が支払わなければ ならない(草案 380 条)。

 

 

 

 

さらに,用益権者は目的物が滅失・損傷を受けないようにしなければならず,滅失・損傷した場合には賠償責任を負う。ただし,自然災害による場合はこの限りでない(草案 379 条)。第三者が目的財産について権利を主張したり,侵害したりしたときは,そのことがあってから 15日以内に所有者に通知しなければならない(草案 381 条) 。 用益権者が目的財産に損害を与えたり,約定どおりの利用をしていないときは,目的物の所有者は用益権の設定を取り消すことができる(草案 383 条)。 他方,用益権者は用益の必要がなくなったときは,少なくとも 45 日前に所有者に通知して,用益権を放棄し,目的物を所有者に返還することができる(草案 384 条) 。

 

 

 
すみれ
「使っている人に税金の請求がくる仕組みになるんだ。」

 

 

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