〒903-0114沖縄県中頭郡西原町字桃原85番地 TEL098-945-9268 受付時間平日9:00~17:00

司法書士宮城事務所 > お便り > お便り > ネパール 民法典草案3

ネパール 民法典草案3
2016年04月11日

 

 

 

2016年加工編

法務省調査研究報告 ネパールにおける現行民事法の現状と今後の立法動向より抜粋

 

 

 

第2節 民法典草案における財産法の提案

 

 

第1項 概観

 

 

ネパールの現行法における財産法の現状を踏まえ,それが今後どのように改正され ようとしているか,その動向を民法典草案を題材にして探ってみたい。 民法典草案における財産法は第Ⅳ部に当たる。それは,次表に示した 15 章から構成されている。

 

 

2010 年民法典草案
現行法第 4部「財産法」
(第 1 章)財産(権)に関する一般規定
(第 2 章)所有権および占有に関する規定
(第 3 章)財産の使用に関する規定
(第 4 章)土地の耕作,使用および登記に関する規定
(第 5 章)政府財産,公共財産およびコミュニティ財産に関する規定
(第 6 章)信託(トラスト)に関する規定
(第 7 章)用益権に関する規定
(第 8 章)役権に関する規定
(第 9 章)建物賃貸借に関する規定
(第 10 章)寄付および贈与に関する規定
(第 11 章)財産の移転および取得に関する規定
(第 12 章)不動産の抵当に関する規定
(第 13 章)不動産の先買に関する規定
(第 14 章)権原証書の登記に関する規定
(第 15 章)(消費貸借・使用貸借)取引に 関する規定
← 「1853年国法」(第Ⅲ部・諸章)
← 「1853年国法」(第Ⅲ部・諸章) ← 「1853年国法」(第Ⅲ部・第 8章)
← 「1853年国法」(第Ⅲ部・諸章)
← 「1853年国法」(第Ⅲ部・第 7章)
← 「1853年国法」(第Ⅲ部・第 4章) ← 「1853年国法」(第Ⅲ部・第 19 章) ← 「1964年土地法」
← 「1853年国法」(第Ⅲ部・第 2章) ← 「1853年国法」(第Ⅲ部・諸章) ← 「1853年国法」(第Ⅲ部・第 21 章) ← 「1853年国法」(第Ⅲ部・第 17 章)

このような財産法(財産編)の構成を現行法と対比してみると,つぎのような特色 が認められる。すなわち,――

 

 

 

(1)新たな規律

新たな規律として,所有権と占有権の相違が明確にされていること,用益権および役権についての規定が設けられたことが注目される。

 

 

(2)契約関連の規律の編入

大陸法系諸国の民法典では一般的に契約類型として規律されることの多い法律関係が,財産法に編入されている。例えば,――
①賃貸借一般が契約に規定されている一方で,建物の賃貸借は財産法に入っている。 ②寄付・贈与が契約ではなく,財産法に入っている。
③一般取引(消費貸借など)が財産法に入っている。

以上の概観を踏まえ,以下では,前記の表に示したような各章に規定された財産法関連の規定について,主要なトピックごとに,その特色を分析する。

 

 

 

(3)財産法関連規定の債務法への編入
ムルキ・アイン第Ⅱ部・第 6 章(遺失物拾得について)は,2010年民法典草案では, 新たに設けられた不当利得に関する章(第Ⅴ部・第 16章・699 条)に編入されている。この点については,規定の位置づけおよび内容に関し,今後議論が起こることも 予想される。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA