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ネパール 家族・相続法13
2016年04月11日

2016年加工編

法務省調査研究報告 ネパールにおける現行民事法の現状と今後の立法動向より抜粋

 

 

 

第13項 相続(256~269 条)

 

 

(1)相続人と順位

相続人は以下の表の順位で相続する(第 12章 258条 1項)。被相続人が、家族財産 (family property とされるが家族共同財産分割持分と思われる)を分割した場合、被相続人と同居する親族が相続人となる(第 12 章 259条)。また、被相続人の面倒を生前に見た親族は、相続順位が遠い場合でも相続する(第 12章 260 条)。同順位の相続人が相続放棄をした場合には、同順の相続人が放棄した財産を承継し、同順位の者がいない時には、次順位の者が相続する(第 12 章 258条 4項) 。
すみれ
「面倒をみたことを証明したりする必要があるのかな。」

 

 
被相続人が家族共同財産分割持分を分割した後に同居をしていた相続人が、被相続人の面倒をみなかった場合には、別居している相続人に相続が開始する(第 12章 261 条)。
相続人以外の者が被相続人の面倒を見ている場合、この者が被相続人を相続す ることになる(第 12章 262条)。基本的には、同居と扶養が相続の重要な要素となっている。 被相続人を殺害した者もしくは殺害した者の卑属は相続欠格とする(第 12章 264 条) 。
相続人の順位(第 12章 258条 1項)
1. 夫もしくは妻(同居していること)
2. 息子、娘、同居している死亡した息子の寡婦
3. 父、母、継母、同居する息子の子(孫息子もしくは孫娘)
4. 別居している夫、妻、息子、娘、父、母、継母、婚出した娘
5. 祖父母、同居する兄弟姉妹
6. 同居している叔父、叔母、甥、姪
7. 別居している息子方の子(孫息子もしくは孫娘)
8. 同居している兄もしくは弟の妻
9. 別居している兄弟姉妹
10. 別居している祖父母、孫の妻
11. 男系かつ 7親等内の親族 *条文と説明書の記述が異なるが、説明書案の記述に従った。
(2)相続分
同順位者の相続分は平等である(第 12章 258 条 3項) 。
(3)相続の放棄

相続人は、相続放棄をする場合には、相続開始後 3年以内に書面をもって裁判所にその旨を申し立てなければならない(第 12章 263条 2項)。また、相続開始後 3 年以内に相続を承認しないと放棄したものと扱われる(第 12 章 263条 3項)。
なお、相続を放棄しても被相続人の葬儀などは執り行わなくてはならない(第 12章 263 条 4 項)。

相続放棄があった場合、相続財産は、葬儀費用ならびに相続債務の弁済に充てられ た後、残余があれば所定の手続きを経て地方機関(local body)に帰属し、公的目的のために使用されることになる(第 12章 267 条 1項~9 項)。ネパール国内で死亡したネパール国籍を持たない者に相続人がいない場合、同様の手続きにより地方機関に 財産が帰属し利用される(第 12章 268条)。

 

 

 

(4)相続人の権利義務
相続人は、①被相続人の葬儀などを行う義務、②被相続人の債権者に債務を弁済する義務、③被相続人の債務者に対する債権、を有する(第 12章 265 条 1項)。相続人以外の者が、被相続人の葬儀などを行った場合、相続人は葬儀などの実費に 25%を加 えた額を、葬儀を行った者に支払わなくてはならない(第 12章 265 条 2項)。 相続人は相続債務を被相続人の財産の範囲で弁済する義務を有する(第 12章 266 条) 。

 

 

 

 

(5)相続制度の特色
ネパールでは家族財産が家族構成員の共同財産として扱われるために、相続開始以前に共同財産分割持分の分割などが行われている。そのため、相続時に被相続人の財産を一挙に分配するという仕組みにはなっていない。この点で、相続手続きに詳細な規定を必要としないのかも知れない。

 

 

 

 

すみれ
「家族が出来た段階で、既に遺産分割みたいな状態になっているんだ。」

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