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ネパール 家族・相続法7
2016年04月11日

2016年加工編

法務省調査研究報告 ネパールにおける現行民事法の現状と今後の立法動向より抜粋

 

 

(2)相続放棄や相続人をめぐる問題

第一に、相続放棄が可能であるが、被相続人の葬祭は相続に関係なく相続人の義務とされている(第 16章 15条)。
ポリー
「葬祭は関係ないですよね。」
第二に、相続放棄(相続できなかった者)をした者の債権者は、葬儀などが行われた後の残余財産について権利を有する。債権者がいない場合には、すべての財産、債権者がいる場合には清算を終えたのちに残った財産は国庫に帰属する(第16章16条)。

 

 

第三に、住民が死亡した地域に相続人がいない時には、死亡した地域の徴税官などがその旨を公示した上で、財産目録を作成し、相続人に通知を行い、一定の期間(3 か月)内に相続人が出頭した場合には、財産から 10%(の価格)を差し引いてを財産を引き渡す。相続人が出頭しない場合もしくは不明の場合には、国庫への帰属手続きがとられることになる(第 16章 17 条) 。
第四に、相続欠格については、怒りもしくは怨恨で他者を謀殺した者もしくはその子は、死者もしくはその子の相続をすることができない(第 16章 19 条)。 第五に、相続をめぐる訴えの時効は、相続が生じた時より 3 年である(第 16章 20 条) 。

 
第2項 相続に関する条項の特色

 

相続に関する条項は、被相続人と財産を承継できる者の関係、被相続人をめぐる扶 養の状況、家族共同財産とその他の財産の関係など、ネパールの特殊な家族(親族) 関係と財産帰属関係が反映されたものである。また、男子の財産は、先祖から承継されてきたものについては、帰属過程でどのような変転をしても結果的には男系の支配におかれる構造をもっている。
他方、相続時には、死亡した息子の寡婦(「嫁」)にも一定の権利を認めるなど、同居している事実や被相続人の世話をした事実などと財産承継を連動させ家族構成員の保護が図られている。
2003年の改定で男女の不平等など大幅に改正されたところもあるが、婚出した娘には条件付きでのみ相続権を認めるなど、子どもの間での財産承継には依然として差別がみられる。さらに家族財産分割手続きなどにおいては、手続きの実効性を高めるためと思われるが、手続違背者に対する刑事罰がおかれており、人の死亡における財産移転が単なる私事ではないととらえられているところも特色と言えるだろう。
番人
「刑事罰か。」

 

ポスト20151208