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ネパール 家族法3
2016年04月11日

2016年加工編

法務省調査研究報告 ネパールにおける現行民事法の現状と今後の立法動向より抜粋

 

 

 

第3節 現行家族法の概要

 

第1項 財産関係における女性の法的地位

 

ネパール社会における女性の社会的経済的地位が「低い」ので、特別な法的救済が必要とされており、財産関係と女性に関する特別な規律が第3部に設けられている(以後、特に断らない限り第 3部のみを対象とする) 。

 

(1)特有財産

未婚・既婚・寡婦を問わず、女性は自己の努力で得た動産ならびに不動産を自由に処分することができる(第 14 章 1 条)。また、家族と同居していない女性は、家族共同財産分割持分としての動産・不動産を自由に処分することができる(第14章2条)。 ただし、女性が負っている債務に関しては、女性が使用できない不動産によって返済することはできない(第 14章 3条)。
(2)特有財産の種類

女性が、父母両系の家族から受領した、もしくは自己の努力で得た動産・不動産は 「嫁資(Daijo)」といわれる。また、女性が、夫側のすべての相続人の家族共同財産持分権者(coparcener)・夫側の家族共同財産持分権者の書面による贈与もしくは夫 側の他の親族、知人による贈与、または自己の努力で得た動産・不動産は、「女性特有財産(Pewa)」といわれる(第 14 章 4条)。

 

 

すみれ
「自分の財産と、家族の財産があるんだ。」

 

 

 

(3)特有財産の処分

女性は、嫁資および女性特有財産を自由に処分することができる。(第 14章 5条)。 女性が財産の処分に関して書面を作成したのちに死亡した場合には、書面に従って財産は処分されることになるが、書面を残さないで死亡した場合には、女性と同居していた子、同居していた子がいない場合には別居していた子に財産は承継される。

女性が既婚者の場合、子がいないときに夫へ、夫がいないときには婚出した娘へ、婚出した娘がいない場合には男の孫もしくは未婚の娘へ、それらもいない場合には、相続人 (Hakwala)へ承継される12(第 14 章 5条) 。
女性が、嫁資および女性特有財産以外の財産を、信仰目的の寄付、通常の贈与もしくは売却した場合、女性が財産を移転した者と婚姻した場合には、当該財産の移転は効力を発生せず、当該財産にもともと権利を有する者は、その返還を求めることができるとされている(第 14 章 7条) 。
(4)特有財産に関する訴えと時効
特有財産に関する訴えは、第 14 章 7条の場合には婚姻の日、その他の場合には、原因となる事実が生じた日から 2年以内に提起しなくてはならない(第 14章 8 条) 。

 

 

 

(5)女性の特有財産に関する特色

男性の財産は基本的には男系で承継されていくことになっているので、女性固有の財産については女性の意思を重視することや、女性とかかわった者へ第一に移転するという規定をおくなど、女性固有の財産に関する規定がおかれている。

 

 

ハガキ220151203