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2016年加工編  法制審議会信託法部会  第18回会議 議事録
2016年02月10日

2016年加工編

法制審議会信託法部会

第18回会議 議事録

 

 

 

第1 日 時  平成17年7月15日(金)  自 午後1時01分

至 午後4時10分

 

第2 場 所  法務省第1会議室

 

第3 議 題

信託法改正要綱試案(案)の補足について

信託法改正要綱試案(案)第43~第70について

 

第4 議 事 (次のとおり)

 

 

 

議        事

 

  •  法制審議会信託法部会を開きたいと思います。

(幹事の異動紹介省略)

 

  •  今日は中間試案公表前の実質的に最終回でございます。次回は○○参考人においでいただきまして御講演をいただくということでございますから,今日が審議をする最終回でございます。

 

 

そういうことで,最後までやらなくてはいけないものですから,できるだけ効率的にやるせよ,大分時間がかかることもあるかもしれません。御協力をお願いしたいと思います。

 

 

  •  本日は,まず,前回第42までやりましたうち,いろいろな御指摘を踏まえて事務局の方で検討し,あるいは提案内容を若干変更した点について,前回の案の補足及び今回の修正事項の補足として配りました資料に基づいて御説明したいと思います。

 

続きまして,第43以降から適宜,受益者と委託者,変更と終了,民事信託,営業信託,特殊な信託と4つか5つぐらいに適宜分類して進行したいと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

では、最初は,前回の第42までのうち,御指摘を踏まえてこちらで提案を見直した点につきまして,「補足」と題します資料に基づきまして,その要点だけを御説明させていただきたいと思います。

 

 

 

まず,第3,詐害信託についてでございますが,この中では,特に線が引いてございますが,(2)を追加した点でございます。

 

改正要綱試案の前回の案において(注2)として記載していたものにつきましては,その注において記載された考え方を公表するに際しては,もう少し理解が容易になるように記載した方がよいのではないかという指摘がございました。

 

 

そこで,1の(2)に本文として記載することとしたわけでございます。

 

1の(2)といいますのは,信託された財産を受託者が受益者に対して給付してしまった場合において,その給付された財産を受益者から取り戻すために民法第424条第1項の取消権を行使する際の特則を定めたものでございます。

 

 

第424条第1項を形式的に適用いたしますと,受益者が現実に給付を受けた時点において,善意であるかどうかによって取消権行使の可否が決せられることになると解されかねないわけでございますが,ここでは受益者が受益権を取得したことを知った時点において善意・無重過失--現行法を踏襲して「無重過失」というのを書き加えておりますが--であるかどうかによって,取消権行使の可否が決せられることになるという点を定めているものでございます。

 

 

続きまして,第5,受託者の利益享受の制限において,(注)として「第三者の名義をもって信託の利益の全部を享受する場合についても,同様とする」という文言を付加したいと考えております。

 

 

これも前回会議において,受託者が受益権の全部を固有財産で保有すると規律した場合に,現行法が「何人ノ名義ヲ以テスルヲ問ハス信託ノ利益ヲ享受スルコトヲ得ス」と規定していることに比較しまして,規律の対象が狭くなったと受け取られる可能性があるとの指摘がございました。

 

 

 

 

そこで,第三者名義で信託の利益の全部を享受する場合も,現行法と同様に,信託を存続させないとすることを注記したわけでございます。

 

 

なお,この場合におきましては,第三者の名義で受益権を取得することによりまして,受益権の全部を固有財産で取得することの禁止を潜脱しようとするものでございますので,受託者と受益者を兼ねる状態を解消するのに必要な期間が経過しなくても,直ちに信託が終了するものと考えております。

 

 

本来の兼任状態が生じました場合には,その兼任状態が解消されるまでに必要な期間は終了しないとしているわけでございますが,ここで「直ちに終了してしまう」としている点について若干御説明しておきますと,固有財産で取得したとき,一定の期間,存続させておきますのは,転売など正当なニーズがあるからであると考えられます。

 

 

そういたしますと,第三者名義で取得するというのは,正当なニーズがあるのであれば,あえてこのようなことはしないはずでありますので,存続させておく意味はないと思われますので,直ちに終了すると考えているわけでございます。

 

 

 

 

続きまして,第12,信託財産に対する強制執行等についての補足でございます。

 

第12は,前回会議における指摘などを踏まえまして,信託財産に対して強制執行等を行うことのできる権利は実体法的にどのようなものかという観点から,とりあえず整理しましたものでございます。

 

 

パブリック・コメントに付すに際しましては,証明責任の点はさて置くといたしまして,強制執行等を行うことのできる権利は何かというのを,まずもって明らかにしようという趣旨で,ここに記述させていただいております。

 

 

すなわち,(1)が,現行法と同じく,信託財産について信託前の原因により生じた担保権等の場合,(2)が,相手方の効果帰属意思の対象を問わず,受託者が信託財産のためにした権限内の行為による場合,(3)と(4)は,いずれも受託者が信託財産のためにしたものの,権限外の行為である場合につきまして,まず(3)が,相手方も信託財産に効果を帰属させることを知っていた場合,(4)が,相手方は受託者が信託財産に効果を帰属させる意思であったことを知らなかった場合について,それぞれ規律しているものでございます。

 

 

これは,結論的には前回の提案内容から実質的な変更はございませんが,前回の指摘に基づきまして,このように同様の結論に至るまでに検討した点などについて,補足して御説明申し上げたいと存じます。

 

 

ここで主として検討の対象となりましたのは,(4)の場合でございます。

 

前回も申し上げましたとおり,(4)の場合につきましては,受託者と第三者間の取引の性格,すなわち信託財産について権利の設定または移転をするものであるか否かによって,その取扱いは異なることとしているわけでございます。

 

すなわち受託者の取引相手方のうち,受託者に貸付けなどをした一般債権者につきましては,受託者のもとにある個別の財産を信頼したわけではないので,信託財産に対しても強制執行ができるとしてその信頼を保護するまでのことはないと考えられます。

 

 

そして,それにもかかわらず信託財産に対して強制執行がなされた場合には,受益者が信託財産であることなど必要な証明をすれば,正当な異議として認められることになります。

 

 

 

 

 

 

これに対しまして,信託財産に属する特定の財産について取引が行われた場合には,取引の相手方は受託者が権利者であるところのその財産を信頼したわけでございますので,このような信頼は,受託者に対する一般債権者の信頼よりも保護に値すると考えられます。

 

 

そこで,この取引債権者においては,信託財産に対して強制執行等をすることができるとしたわけでございます。

 

ところで,この後者の取引の相手方の信頼を保護するという点につきましては,例えば,寄託における受寄者と取引した相手方については,受寄物たる財産を信頼したとはいいましても,民法第192条等を経由しない限り保護されないということとのバランスが問題となるのではないかとのご趣旨の指摘が前回ございました。

 

 

しかしながら,委託者及び受益者は信託のメリット,信託財産に独立性が付与されることですとか,受託者が所有者であるからこそ行い得る柔軟で実効的な管理処分を受けられることなどのメリットを享受すべく,あえて信託という法律構成を選択して財産を受託者の所有に移したものである以上,寄託者が完全に所有権を留保している受寄物の場合と異なりまして,取引の安全がより優先されることになっても,決してバランスを失するものではないであろうと考えている次第でございます。

 

 

すみれ

「受託者は所有者なんだ。」

 

 

もっとも,以上のような理屈は,信託の公示が整備されていない信託財産,典型的には,動産の場合には適切であると思われますが,信託の登記・登録制度が整備され,現に登記・登録されている信託財産についてまで取引の相手方があくまで信託財産のための取引であるとは知らなかったことを主張,強弁できるとして取引の安全を保護すべきかというのは,別の判断もあり得るところでございます。

 

 

すなわち,このような登記・登録がされている場合におきましては,取引相手方が信託財産のための取引であると知らなかったと主張することは許されないと考えまして,第31の1において取消権行使の可否を論ずる対象とするものといたしまして,第12では(3)の場合に従いまして,受益者が取消権を行使できる場合であるか否か,すなわち当該取引が委託者の権限外の行為であったことにつき取引相手方に悪意・重過失があったと言えるか否かによって,信託財産に強制執行ができるか否かが決せられるとする考え方もあり得ると思われるわけでございます。

 

 

そこで,「相手方が信託財産のためにされたものであることを知っていたとき」という要件との関係で,信託の登記又は登録がある財産につきましては,このような考え方があることについて補足説明で丁寧に論じることとしたいと考えている次第でございます。

 

以上が第12についての検討結果の補足説明でございます。

続きまして第20,忠実義務違反等の効果についてでございます。

 

 

 

 

まず,補足説明の1の③と④でございます。前回は③だけ書いておいたわけでございますが,④も追加させていただきました。

 

 

③というのは,厳密に言いますと①の取引に係る,すなわちいったん自己取引をしてから受託者がさらに第三者と取引をする形態というのが素直な読み方でございますが,前回の指摘などを踏まえまして,いわゆる第三者間取引,すなわち受託者が直接に信託財産について第三者と取引する形態,例えば信託財産を第三者へ売るとか,自己の債務の担保のために信託財産を債権者の担保に供するような場合なども含まれることを,④として明記したのが第1点でございます。

 

 

続きまして4の,いわゆる利益吐き出し責任の関係についてですが,前の提案ですと損失推定の規律を設ける甲案と,正面から利益吐き出し責任を認める乙案を併記しておりましたが,何の規定も設けないという丙案も設けるべきではないかという指摘が前回ございました。

 

 

しかし,少なくとも競合行為につきましては甲案,すなわち損失推定の規定を導入することがあり得るといたしますと,何も規定を設けない丙案をとることは,結論的にはあり得ないと思われるわけでございます。

 

 

会社法におきましても,第356条第1項第1号における競合取引に関しましては,第423条第2項において,甲案と同様に損害額の推定規定が設けられているわけでございます。

 

そうしますと,丙案というのは結論的にはあり得ないと考えられるわけでございまして,あとは甲案と乙案の適用範囲の問題に収斂されるのではないかと理解いたしまして,ここでは現行の提案のとおり甲案,乙案を併記した上で,その適用範囲についてはいろいろな意見があることを補足説明で対処したいと考えている次第でございます。

 

 

 

 

なお,前回の会議におきましては,公平義務の性格づけに関しまして,公平義務というのは信託事務の処理に関して問題となる局面が中心であるのに対しまして,忠実義務というのは信託事務の処理の内外にかかわらず起きる問題であって,公平義務というのは忠実義務と重なる部分はあるけれども,善管注意義務に近い部分もある中間的な義務ではないかという御指摘ですとか,公平義務違反の典型的な場合としては,自己取引などよりも,むしろ市場や第三者といった外部と取引することによって,一方の受益者の不利になる場合の方が典型例ではないかといった御指摘をいただきました。

 

 

ここでは,後者の指摘に対応するべく,4ページの3,公平義務違反の効果のところにつきましても,③のほか④を加えまして,受託者が直接信託財産を外部の第三者と取引する場合も公平義務違反の場合に含まれることを明記するとともに,前者の指摘,すなわち公平義務違反の性格づけにつきましては,これまで当部会におきましては,公平義務は,どちらかといいますと忠実義務の系統として議論されてきたのではないかと認識される経緯を踏まえまして,試案の本文としてはこのままとさせていただきつつ,性格づけについての指摘があったことを補足説明で言及させていただきたいと考えている次第でございます。

 

 

 

 

 

続きまして,第32,費用等の補償請求権についてでございます。

この点につきましては,2,受益者から費用の補償を受ける権利につきまして,従来は,ここに書いてあるもの以外に,かつての乙案というもの,権利・義務が一体としてではあるけれども,原則としては受益者の補償請求権がないという規律を設けるべきではないかという指摘がありました点でございます。

 

 

この点につきましては,旧乙案については部会の審議で特段の支持者がいなかったと理解されるにもかかわらず,一つの案として出すのはいささか不自然ではないかということでありまして,従前の乙案を併記すべきと主張する意見と申しますのは,結局,今回の乙案--新乙案によりますと,信託法上に受益者に対する補償請求権に関する言及がなくなることも懸念されるという御趣旨ではないかと理解されるわけでございます。

 

 

そこで,この(注3)にありますとおり,2において乙案を採用した場合には,受託者と受益者との間で個別に費用の補償の合意をすることを妨げない旨などを明文で規定する方向で検討する。

 

 

確約はできないわけでございますが,そのような方向で検討することを明文でうたいますとともに,そのかわりといたしまして,旧乙案--甲案の第2案といったものは本文には入れず,しかし,このような見解があることを補足説明で言及するということで対処させていただければと考えております。

 

 

 

最後に,第38と第39の関係でございますけれども,前回の試案におきましては,現行法第42条と同様に,受託者が解散した場合には,その清算人に信託財産の保管義務を課すとしておりました。

 

 

しかし,受託者が解散したことにより任務が終了した場合にも,受託者であった法人は清算法人としてなお存続しておりますので,清算法人自体に保管義務等を課せば足り,その期間たる清算人に保管義務を課す必要はないと考えられます。

 

 

そこで,第39の2から清算人を除くとともに,1に前受託者たる清算法人を含めることといたしまして,それに伴う調整を第38と第39の3で行ったと考えた次第でございます。

 

前回の御指摘を踏まえた見直しについては,以上でございます。

 

  •  前回,御議論いただいた部分について,さらに若干の検討を加えたということですが,ここまでのところで,いかがでしょうか。--よろしゅうございますか。

 

前回,共同受託者も少し議論になったと思いましたけれども,あれは……。

 

  •  前回の部会の中では,信託財産を合有とすることについて,そのままでいいのかという点が問題になったかと思いますけれども,この点につきましては,補足説明の中で具体的に記載したいと考えておりまして,今回の資料の中には書いていない次第でございます。

 

 

  •  ……ということで,いかがでしょうか。--よろしゅうございますか。今回の要綱試案ということで,これに対していろいろ御意見をいただく。その御意見をいただくようなものとして,ここでの議論が適切な形で反映されているかどうか御検討していただくということだと思いますが。

 

 

  •  合有のところのお話について,今,富澤さんの方からお話があったように,補足に書いていただくということで結構でございますけれども,もともと「合有」という言葉で1つに括られていたものが,実際上の問題として,登記上の名義はどうなるんだろうかとか,実質的な保管はどうなるんだろうかというところでの解釈について,それぞれの考え方がちょっと違っていたようなところがありますので,できればそこら辺のところを分析していただいて,その上で,補足という形で結構ですけれども,御意見を聞くような形にしていただければと思います。

 

 

  •  では,そういう形の補足説明をしていただくことにいたしましょう。

 

それでは,前回の部分につきましては以上でよろしいということでありましたら,今日の議論に入りたいと思います。

 

  •  それでは,本日は第43,資料で言いますと27ページから,とりあえず受益者と委託者の点について,主要なポイントと思われる,特に従来の議論からの変更点について簡単に御説明申し上げます。

 

 

まず,第43でございますが,これは特段変更ございません。

 

続きまして,第44の信託管理人等につきましては,3点ほど御説明させていただきたいと思います。

 

第1点は形式的な点でございまして,1の(1)で「受益者として権利を行使することのできる者がいない信託」と冒頭に書いた点でございます。

 

 

現行実務におきましては,受益者が変動する年金信託などにつきましても不特定の受益者がある場合に該当するとして,信託管理人を選任しておりますが,このような場合につきましては,ある一定の時点をとらえれば受益者は特定していると言えるわけでございまして,新たな制度であります受益者代理を選任すれば足りると考えられるわけでございます。

 

 

そこで,このような趣旨を明らかにするために,現行法の文言を改めまして,「信託管理人が選任されるのは,受益者として権利を行使することができる者がいない場合であること,つまり,年金信託の場合はここに入らないことを明らかにするというものでございます。実質的には,これまでの提案からの変更はないつもりでございます。

 

 

 

 

次に,第2点でございますけれども,3,受益者代理の(2)におきまして,前回の提案では,受益者代理に対して「信託の利益を受領する権利その他債権の実現を保全するために必要な権利」を付与することはできないとしておりました。

 

 

しかし,これに対しましては,受益者が複数の場合においては,受益者にかわって受益者代理に配当を受領する権限を付与するニーズが,例えば社内預金引当信託などであるという指摘がございました。

 

 

そこで,このようなニーズを踏まえまして,受益者代理に対して受益者にかわって配当を受領する権利を認めることとしまして,そのような除外規定は設けないこととしたわけでございます。

 

前回提案でも,受益者代理が個々の受益者と配当受領に関する契約を締結すればよいのではないかと思っていたわけでございますが,たくさんの受益者と契約を締結するのはなかなか大変なことであって,一括して信託行為で定めることができるとする方が簡便でございますし,しかも,受益者も重畳的に配当受領権を有すると解すれば何ら弊害もないと考えまして,このように提案を改めている次第でございます。

 

 

 

 

 

3点目に,(注1)と(注3)にかかわる点でございますけれども,(注1)におきましては,現行法第8条第1項ただし書の規定の趣旨を踏襲いたしまして,信託行為の定めにより信託管理人または受託者監督人が選任されている場合におきましては,裁判所は信託管理人等を選任することはできないことを明らかにいたしました。

 

 

これに対しましては(注3)のとおり,信託行為で定められた信託管理人または受託者監督人につきましては,その権限が変更,すなわち縮小される可能性もあることを考えますと,別途,いわば全権を有する信託管理人等を裁判所が超常的に選任できることを許容すべきではないかという指摘もあり得るのではないかと思うわけでございます。

 

 

しかしながら,7ページの①,②に書いてございますとおり,信託行為で権限を縮小している場合には,その信託行為の定めを尊重すべきであるということですとか,権限が競合すればその判断に窮する場合もある。

 

 

法律関係が複雑なものになるおそれがあることなどを考慮いたしまして,(注1)(注3)のとおり重畳的に選任することはできないという方向で提案させていただいているわけでございます。

 

 

続きまして第45,信託行為の定めによる受益者の権利の制限については,特段の変更はございません。

 

 

続きまして,第46の受益権取得請求権につきましては,3点ほど御説明をさせていただきたいと考えております。

 

まず,前回の提案におきましては,取得請求権が認められる①から⑥の個別の事由に関しまして,信託の目的の変更については,受益者を害するおそれがあるものですとか,信託の併合または分割についても受益者を害するおそれがあるもの,受益債権の内容が変更であって,受益者間の公平を害するおそれがあるものに係る信託の変更について,受益権の取得請求ができると各論的に記述したことに加えまして,冒頭の方におきましても,変更によって損害を受けるおそれがある反対受益者が受益権取得請求権をすることができるとしておりました。

 

 

しかし,前回会議におきまして,本文と柱書きのいずれにも「受益者を害するおそれ」とか「損害を受けるおそれ」と書くのは重複ではないかという指摘がございましたので,今回の提案では,「信託の変更がされることにより損害を受けるおそれがある受益者」と柱書に書くことにして,①から⑥の方では,いちいちそのようなことは書かないようにしたものでございます。実質には,何ら変更はございません。

 

 

それから,前回の提案におきましては,⑥の「受益者間の衡平を害する」という要件は不明確であって,本文または補足説明で明らかにすべきではないかという指摘がございました。

 

この点は,受益債権の内容の変更に係る信託の変更がされた場合でございましても,当該変更が信託目的に反しない限りは,一部の受益者に損害を与えるおそれがあるとしても,当該受益者には受益権取得請求権を認めないことを意図しているわけでございます。

 

 

したがいまして,例えば信託行為の定めにより受益権が複層化されているような場合におきまして,受益債権の変更により劣後受益者に損害が生ずるおそれがあっても,その変更が信託目的に反するものでない限り,劣後受益者は受益権取得請求権をすることができないことになるわけでございます。

 

 

 

 

 

 

 

以上のようなことは,補足説明で記載させていただきたいと考えている次第でございます。

 

第3点でございますけれども,これは,前回の提案の(注2)にかえまして,今回,補足資料の8ページで(注2)と(注3)を設けている点でございます。

 

特に補足の(注3)の方で,「特別決定事項に係る信託の変更に関して受益者が関与できる場合にあっては,決定に賛成した受益者は受益権取得請求をすることができないものとする」という記載をしている点について,若干釈明させていただきたいと思います。

 

 

受益権取得請求を付与すべきか否かというのは,要するに,信託の変更に関しまして,その受益者に自己の意思を表明する機会があったか否かによって決せられるべきものでございまして,この機会があったのだとすれば,反対意見を表明した受益者にのみ取得請求権を付せばよいと考えられるわけでございます。

 

 

 

しかし,信託の変更に当たりましては,受益者集会の方法による場合であってもその他の方法による場合であっても,その手続については特段の制限はなく,信託行為で自由に定められるものと考えておりますので,いかなる場合であれば意見を表明する機会があったと言えるのかを一律に定めることは困難であると考えられるわけでございます。

 

 

 

そこで,少なくとも,いわば最大公約数的に,変更に賛成した受益者については,禁反言の原則に照らしましても取得請求を認める必要はないことは明らかであると考えまして,その旨を示したわけでございます。

 

 

実質的には,決議事項について個別の通知をしていれば,反対者しか取得請求権ができないと思われますし,公告や,あるいは第三者の決定による場合であれば,賛成者はできないけれども,それ以外の者はできるということになるのではないかと思うわけですが,この考え方自体は維持しつつ,取りまとめて簡略化して,(注3)として書いてみた次第でございます。

 

 

 

 

続きまして,第47,受益者が複数の場合の意思決定についてでございます。

これにつきましては,まず,形式的な点でございますけれども,前回資料の31ページ,3の(5)におきまして,任意規定として「(1)から(4)までにかかわらず,信託行為に別段の定めがあるときは,その定めに従うものとする」としているところでございます。

 

 

これは(3)の場合,受益者集会の決議の効力は,すべての受益者に対して効力が及ぶものとするという点までもが任意規定なのかと。

 

 

直感的には少し不自然な気がしたわけでございますが,要するに,ここの趣旨は,信託行為の定めにより,受益者の種類ごとにいわゆる種類受益者集会を設置して,当該種類受益者集会ごとに決議を行った上で当該種類受益者にのみ決議の効果が及ぶとすることを許されるという趣旨で明記しているということでございます。

 

 

第2点目は,極めて些細な補足的なことでございますが,やはり31ページの(注1)で,受益者集会の招集手続に関しては所要の規定を設けるという中で,受益者に対する招集通知をするという点につきましては,信託行為の定めにより自由な制度設計を認めるという観点からは,公告による招集通知も認めてよいのではないかと考えているところを付言させていただきます。

 

 

 

第3点目といたしまして,前回の部会におきましては,受益者から受益者集会の招集請求がされた場合におきまして,その請求がとるに足らない事由であるようなときにも招集しなければならないというのは相当ではないのではないかという指摘がございました。

 

 

 

 

しかし,受益者による受益者集会の招集に関する規定は任意規定でございますので,信託行為に別段の定めを置くことによりまして受益者による受益者集会の招集請求を制限することはできると考えておりますので,これによって解決することができると考えているわけでございます。

 

 

なお,裁判所に対して受益者集会の招集請求をすることを認めるかどうかにつきましては,やはり3の(1)のイで「信託行為に別段の定めがない限り」と,任意規定であるとしている点からいたしますと,難しいのではないかと思われるわけでございますが,なお検討事項として補足説明で触れることにしたいと考えております。

 

 

続きまして資料32ページ,第48,受益権の譲渡についてでございますが,2点ほど御説明申し上げたいと思います。

 

まず,第38の1の(2)に関する点でございますが,これまでの提案におきましては,信託行為に別段の定めがある場合のほかに,受益権の譲渡が信託の目的に反するときも受益権の譲渡をすることができないと明記しておりました。

 

 

しかし,このような場合につきましては,通常,合理的な意思解釈により,信託行為に別段の定めがある場合と認定されるものと考えられますので,これをあえて明記することなく,削った次第でございます。

 

 

それからもう一点,これは32ページには書いていない点でございますが,前回の会議におきまして,受益権の譲渡の第三者対抗要件について,確定日付がある通知又は承諾を要するものとしている点に関しまして,確定日付を具備するのはコストを要するので,しかるべき者が委託者となっていることにかんがみれば,確定日付を不要とすべきではないかとの指摘がございました。

 

 

しかし,受託者であるからといっても一般の債務者と比較して恣意的に通知または承諾の時期を遡らせるおそれが定型的に乏しいとまで言うことは難しいと思われますので,このような考え方は採用しておりませんことを付言させていただきます。

 

 

ポリー

「受益債権ではなくて受益権ですね。」

 

 

 

続きまして,第49,受益権の放棄についてでございます。

これは第32,第33で甲案を採用した場合の1を記載した点,それから,やはり第49で2という場合,第32,第33で乙案を採用した場合の2を記載した点が新たな変更点でございます。

その趣旨につきまして,若干補足して御説明したいと思います。

 

試案におきましては,受託者が受益者に対して補償請求権または報酬支払請求権を行使できる場合につきまして,第32と第33で御承知のとおり2つの案を提示したことを踏まえまして,第32,第33の甲案,すなわち受益権は受益者の有する権利・義務の総体であるという考え方を採用した場合に関する規律,これが第49の1でございます。

 

それから,やはり第32,第33のところで乙案,すなわち受益権というのは権利の総体にとどまるという考え方を採用した場合の規律,これが第49の2でございます。これを分けて提示しているわけでございます。

 

第49の1におきましては,受益権の放棄ができる場合に関しまして,ここで【乙案】に加えまして,新たに【甲案】を提示しているわけでございます。甲案は,受益者が受託者に対して受益権の放棄をしない旨の意思表示をしたときに限り,受益権の放棄を認めないものでございまして,【乙案】①のように,信託行為の定めによって放棄できない性質を有する受益権を作出することを認めないものといたしまして,受益権の放棄の可否については自益信託,他益信託というような区別をすることなく,同様の取扱いをするというものでございます。

 

これに対しまして,第49の2の方の考え方は,次のようなものでございます。

 

 

受託者の受益者に対する補償請求権等につきましては,受託者と受益者との間の個別の合意によって発生するものとの考え方をとる場合におきましては,受益権は権利の総体と位置づけることになりますので,そうすると,受益権の放棄というのは単なる権利の放棄にとどまることになりまして,これを放棄できることは,義務の放棄を伴うものでない以上,いわば当然のこととして,規律をあえて設ける必要性は存しないということにもなりそうでございます。

 

 

しかし,受益者一般についてはそのように言えるといたしましても,信託行為の定めにより自己の意思とは無関係に受益者として指定された第三者につきましては,信託におきましては民法の一般原則とは異なり,受益の意思表示を要することなく当然の利益を享受するとしておりますので,その反面といたしまして,その受益の強制を継続されるわけではないということ,すなわち,信託においても利益であっても放棄できることを明らかにするために,受益権の放棄に関する規律を設ける意味があると考えるわけでございます。

 

 

 

 

また,受益者として指定された第三者によって受益権が放棄された場合の効果,すなわち受益者が既に受けた利益はどうなるのかという点を明らかにすることは,他の受益者や帰属権利者との間の法律関係の錯綜を防止することにもなると思われるわけでございます。

 

そこで,第49の2におきましては,受益者として指定された第三者は受益者を放棄することができまして,その場合の効果といたしましては,その第三者は当初から受益権を取得しなかったものと見なす,すなわち受け取った利益は信託財産に還元されることになって,他の受益者ですとか帰属権利者の利益になることを明らかにしたものでございます。

 

 

 

なお,これによりますと,今,申しましたとおり,受益者を放棄した第三者が放棄の時点までに受けた利益は不当利得として返還することになると思われるわけでございます。

 

以上が第49の変更についての御説明でございます。

 

続きまして,33ページの第50につきましては,特段変更ございません。

 

それから,第51,受益債権と信託債権の優先劣後関係について,新たに1項目を立てました。

 

これまでは,主として破産に関する規律の整備のところで議論をしていただいておりましたが,前回部会において,両者の優先劣後関係について同順位とする見解と受益債権が劣後するとの見解の双方でかなりの議論をいただいたこと,それから,優先劣後関係というのは,信託財産に係る破産手続との関係のみで問題になるものではなくて,終了その他,種々の局面で問題になり得る重要な事項であることにかんがみまして,ここでは新たに独立の項目として取り扱うことといたしまして,しかしながら,両案併記をして意見を問いたいと考えている次第でございます。

 

 

 

 

 

第52でございますけれども,これにつきましては2点ほど御説明をいたします。

 

いずれも1の(3)にかかわる点でございますけれども,まず,受益者の所在が不明である場合の基準時につきまして,これを明らかにする観点から,時効期間の経過時が基準時であることを明示することといたしました。

 

 

この点につきましては,受益債権の時効援用と忠実義務の抵触を図ることが目的であることにかんがみますと,受益者の所在不明の基準時は時効援用時とするのが合理的であるという考え方もあるとは思うのでございますが,しかし,受益者の所在不明の基準時を時効援用時といたしますと,事後的に真実の権利者であると称する者が請求してきた場合には,時効援用によってこれに対処することが困難となると思われますので,時効期間経過時を基準時とするのが合理的であると考えまして,これを明確化したわけでございます。

 

 

それからもう一点,細かい点でございますけれども,1の(3)で,従来は「通知をしなかったことについて正当な理由がある場合」ということにあわせまして,受益債権が存在しないと信ずるに足りる相当な理由がある場合との例示をしておりましたが,これは同じようなことを書いているということで,削除したわけでございます。

 

 

もっとも,これが正当な理由がある場合に該当することについては変更はございませんので,補足説明で,そのような場合も含まれることを例示しておこうと考えている次第でございます。

 

 

最後に,委託者の関係でございますけれども,これは1点だけでございます。

 

35ページ,第53の2,委託者の地位の移転でございますが,前回の提案におきましては,委託者の地位の移転に関しまして,これと同様の考え方を提起していましたところ,特段の御異論もなかったものでございますので,そのとおり,全関係者の同意があれば移転することを妨げないことを,2に明記したという点でございます。

 

 

 

 

 

とりあえず,以上でございます。

  •  それでは,ただいまの委託者の権利のところまでで,御議論をお願いいたします。

いかがでしょうか。

 

 

  •  まず確認の1点目は,第46の受益権の取得請求権でございますが,先ほど○○幹事の御説明で,前回提案の取得請求権が生ずる受益者の要件について,ちょっと書きぶりが変わっているということでした。

 

 

その中で,これはまさに解釈問題になるかもしれませんけれども,私どもにとって非常に重要なところなのでお聞きしたいのですが,個別の通知によって各人に照会がなされた場合については,賛成をした者,それ以外の者,要するに,明確に反対した者について取得請求権を認める,公告についてはだめですよというお話があったと思うんですが,これについては,いわゆるみなし賛成制度と呼ばれる部分についても適用されるのかどうかということです。

 

長くなりますので,1つずつ切らせていただきます。

 

  •  みなし賛成の場合にも適用されると思いますが,みなし賛成といいましても,現行法でも公告によって,貸付信託法の場合のように,一定期間置いて異議がなければそのまま承認したものとみなすという場合もあるでしょうし,投信法のように,個別に書面を交付するという場合もあるでしょうから,みなし賛成の場合にも適用はあるわけですが,それが今,おっしゃった,個別の通知による場合か公告による場合かによって取得請求権を行使できる者が違ってくる,そういう理解でございます。

 

 

  •  続きまして,第49の受益権の放棄でございますが,これもすみません,言わずもがなでございますけれども,前回の受益権の放棄の議論の中で,補償請求権というものが信託外の問題で,信託外のところで契約すればそれで認められるということで,それ以外についてはないといったお話だったんですが,これをそのまま踏襲しますと,2の方の案でいきますと,当たり前のことですけれども,信託の中には当然,補償請求権というものはないわけですから,信託外で契約が締結されたものについては信託上の法理で拘束されることはないということでしょうか。

 

 

 

 

 

 

もうちょっと言いますと,一番最初,補償請求権はどういう形の場合にあるんですかということを合意すると思うんですが,当初の契約が書かれていればそれに常に拘束される,これは当たり前のことだと思うんですけれども,そういうことでいいのかどうかということです。

 

 

  •  2の場合につきましては,権利ですから,利益を放棄することができるという意味があるということで書いているわけでございまして,別途受益者が受託者と合意することによって負担した義務は,当然に免れるわけではございませんので,ここで放棄できるのは,あくまで権利の部分だけでございまして,当然に,義務の方は放棄できるわけではない。

 

したがいまして,一たん合意したものについては,免除でもされない限りは引き続き負い続けると理解しているものでございます。

 

 

  •  それはもう完全に一般法の世界でということでございますね。
  •  はい。

 

  •  3点目は委託者のところで,今まで余り議論がなかったと思うんですが,委託者の権利自体を放棄することは委託者の意思で,多分,特段の制限はないのではないかと考えておりますけれども,委託者が権利を放棄した場合については,例えば委託者,受益者,受託者の3者で合意しなければいけないようなものがあったときには裁判所の方に申立てをしないといけないのか,それとも,それを除く2者間だけで合意して決定してしまっていいものなのか,例えば契約で書けば何らかの調整が図れるものなのか,そこら辺のところをお聞かせいただければ。

 

 

 

 

  •  それは,委託者の同意を不要とした信託行為,信託契約の趣旨によるのではないかと思われまして,その趣旨が,あくまで委託者の同意権を行使しない,同意を要しないわけではなくて,ただ行使しないという趣旨であれば,それはやはり委託者から同意を得られない以上,裁判所への申立てが必要となるわけでございますし,委託者の同意をそもそも要しないという趣旨で放棄したのであれば,それは受益者と受託者のみの合意によって,例えば信託の変更などができることになるのではないかと考えているわけでございまして,あくまで信託行為の中での放棄の定め方によるのではないかと考えているわけでございます。

 

 

 

  •  当初の信託行為の定め方によって決せられるということで,後から委託者の意思によって決定されるわけではないということですか。放棄の趣旨というのが。

 

 

  •  当初,信託行為で書いておけば問題ないわけでございますが,そこで書かなかった。そして後から「もう要りません」と言った場合ですね。

 

 

それは,やはり放棄の趣旨ではないかというわけでございまして,厳密に言えば信託の変更に近いものでございますが,そこまで言わなくても,委託者の放棄がそもそも自分の同意を不要とするような趣旨での放棄であれば,あと2者だけでできると考えてよいのではないかと考えております。

 

 

  •  もう一点は,要請事項でございます。ここの部分で申し上げた方がいいのか,ほかの部分かよくわかりませんが,合同運用について,この試案を見せていただくと別立ての項目が以前と比べてなくなってしまっているということがありますが,合同運用につきましても,私どもの方の関係からすると非常に重要な事項でございまして,この場においても,例えば信託行為の定めを要件とすべきかとか,要件とすべきとした場合についてはどのような効果が生じるのかといった議論がなされたと思うんですけれども,そういう観点から,何らかの形で別立てで,例えばパブリック・コメントを求めるとか,それがなかなか難しいとすれば,例えば複数受益者の中の一部分で,一般的な形で「合同運用については,こういうふうに考えているんだ」といったことを設けていただけないかということでございます。

 

 

 

  •  最後の点につきましては,合同運用,確かに大項目としては消えておりますが,情報入手のところと信託の変更のところでは,これまでの議論の成果を踏まえて記述しているわけでございまして,これに対するコメントをいただければよろしいのではないかと思っておりますが,それでよろしいでしょうか。

 

 

 

  •  合同運用というもの自体をどうとらえて,どう考えていくのかというのは一つの重要な問題ではないかと考えておりまして,もう少し一般的にといいますか,変更のところで言及されている部分を敷衍していただくとか,受益者複数のところでもいいと思うんですが,個別の部分に入るということではなくて,もう少し一般的な形で記載いただければと考えておりますが。最終的にはお任せいたしますけれども。

 

 

 

 

 

  •  では,分別管理のところで少し丁寧目に記載させていただくということで対応させていただきたいと思います。

 

 

  •  ほかにいかがでしょうか。

 

  •  第50,51,52に関連して,特に第51なんですけれども,ここで「受益債権」という言葉が登場していますが,この「受益債権」という言葉が何を意味するのかわかりにくいところがありますので,この範囲についてきちんと説明する文を加えておいた方がよろしいのではないかという気がいたします。

 

 

特に第51において,ここで「受益債権」と言った場合に,株式に例えれば既に確定した配当のようなものだけを指すのか,あるいは残余財産を享受できる部分も指すのかで,かなり違った結論になり得ると思いますので。

 

 

  •  御指摘を踏まえて,そのような方向でわかりやすく記載するように努めたいと思います。

 

 

 

 

  •  今のこととの関連ですが,「受益債権」という言葉がわかりにくい理由のもう一つに,43ページに「残余財産受益者」という概念が新たに出てきまして,そこで「残余財産の給付を内容とする受益債権」という概念も出てまいります。

 

 

 

このことと劣後的受益債権の関係が必ずしも明確でないようにも思いますので,これも含めて,受益債権には幾つか種類があると思いますから,その順番を明確にしていただければと思います。

 

 

  •  恐らく,確定したもの,未確定の配当請求権のもの,残余財産分配請求権のようなもの,いろいろそのようなものがあると思うので,そこら辺がわかりやすくなるような記載に努めたいと思います。

 

 

  •  まず,第46につきましては,繰り返しになると思いますけれども,本件についてはセキュリティ・トラスト等,いろいろ重要な問題もありますので,丁寧な説明をお願いしたいということでございますが,とりわけ第46の⑥受益者間の衡平を害するものについて,丁寧な説明をお願いしたいと思います。

 

 

この点については先ほどの御説明もありましたし,従前の資料もございましたけれども,特に1点,例えば信託行為にあらかじめ定められた条件範囲で変更権者が変更を行う場合において,それはあらかじめ関係者が甘受したものであるということなので,受益者の衡平を害さない,よって,特別決定事項ではないと考えられるかどうかについては実務上,重要でございますので,その点について,もし今,御意見があればお伺いしたいですし,その点についての御説明を補足説明でお願いしたいと思っております。

 

 

 

 

それから,第51でございます。

 

これについては確認したい点と意見がございますが,まず,第51につきましては,そもそも今回,初めての提案ということでございまして,その中で,この提案の中身が一体どういうものなのかということについて,これも同じ話ですけれども,丁寧な御説明をお願いしたいと思っております。

 

 

特に,「同順位」というのが一体何を意味しているのかについて,私自身よくわかっていないところもありますものですから,そこを御説明いただきたいと思っているわけですが,例えば,貸付信託における総合配当率のように,信託利益をあらかじめ定めた場合に,信託決算前に既に信託利益請求権が存在しているということを前提としていて,それについても同順位であると考えるのかということです。

 

 

そうすると,ちょっと私の理解とは違うんですが,つまり,信託利益とはそもそも信託財産から生じた利益相当額から信託費用相当額を差し引いたもの,それから生じるというものですので,ある意味,株式の配当みたいなものでございますので,そうすると,あらかじめ定めたものについてまで同順位であるということは,若干実務感覚から離れているのかなとも思っております。

 

 

すみれ

「信託利益、初めて聞いた。」

 

 

乙案にするとしても,例えば,信託終了時の残余財産の給付を内容とする受益債権は除くという,その他のものとしては同順位にするものとか,多分,乙案の中身について何らかの制約をするか,また,乙案について説明する必要があるのではないかと思っております。

 

2つ目に,これは意見にもなるんですけれども,第51に「乙案を採用した場合においても,」云々という注書きがございます。

 

 

先ほど申し上げましたように,乙案というのは原則的な扱いとはちょっと違うのかなと思っておりますし,また,認可という観点からは「こういうものもできる」というのもいいかもしれませんが,ただ,実際の原則的な扱いをしようと思った場合,つまり乙案を前提とした場合で,劣後契約を結んでいわゆる劣後関係を確立したいという場合に,信託行為によってそれを可能ならしめるのかということについて,(注)は若干そこにちゅうちょを覚えたような表現になっていることに不安を覚えております。

 

 

 

 

すなわち,「劣後特約が一律に効力を有しないことにはならないことを前提としている」と書いてありますが,直截に「当該劣後特約が有効であることを前提としている」ないしはこういうふうに信託法を直すのであれば,そういう劣後特約が有効であることを確認ないしは総説するようなものが必要ではないかと思っております。

 

 

 

何となれば,通常の劣後特約,これは一般的に有効と考えられていますけれども,あくまでも債権者と劣後となる者との,受益者との合意となりますものですから,そうしますと,すべからく信託債権者と契約しなければならないのかということもありまして,それはなかなか実務的に難しいという話だと思います。

 

 

 

そうすれば,やはり乙案で原則的な劣後関係を結ぶという場合には,やはり信託行為で規定することによって劣後契約が有効であるということにならないと,実務的な対応としては,ちょっと不安が残るのかなと思っておりますので,ここはそういう前提ということをお願いしたい,ないしは確認したいと思っております。

 

 

  •  何点か御指摘ありました受益債権と信託債権との優先劣後関係について申し上げたいのですが,まず,残余財産の分配を内容とするような受益債権と信託債権との関係,それから,そうではない,その残りの確定した受益債権とよく言われるようなタイプのものとでは,少し取り扱いが違うのではないか。

 

 

 

つまり,残余財産の受益債権との関係は,当然に劣後するという関係ではないかというのは御指摘のとおりだと思います。

 

 

ただ,事務局の方でそこに特に差をつけませんでしたのは,実質的には確かに劣後的な取り扱いにはなると思うんですが,ただ,それはあくまでも,残余財産の分配ということは信託債権者に対するいわゆる清算的なものが終わった後に発生するということから来ているのであって,いわゆる「優先劣後関係」と言うときの優先劣後ではないのではないかと考えたので,特にここでは整理しなかったということでございます。

 

 

番人

「清算が終わらないと給付が発生しないんだね。」

 

ただ,補足説明におきましては,いずれにしましても2つの種類に分けて,その関係を明示させていただきたいと考えております。

それから,○○委員から御指摘がございました(注)のところでございます。

 

確かに「一律に効力を有しない」と書いているのですが,ここで申し上げたかったのは,劣後特約も一部の債権者との間の劣後特約みたいなものは,破産法などとの関係では必ずしも効力を有しないというか,そのとおりに扱われる余地はない場合があると一般的に言われているところに配慮して書いているものでございますので,そのあたりも補足説明の中では詳しく説明させていただきたいと考えております。

 

 

 

 

 

 

 

  •  あと一点補足いたしますが,取得請求権のところで「衡平」という言葉について,信託行為で定められた裁量権の範囲の場合はどうかというお話がありました。

この場合,事務局といたしましては,裁量権の範囲での受託者の行為によって差が生ずるという場合は,ここの衡平を害する場合には当たらないであろう,したがって,取得請求権は発生しないという方向でいいのではないかと思っておりますので,その旨を補足説明で記述していきたいと考えております。

  •  ほかに,いかがでしょうか。

 

 

  •  まず,第44の受託者監督人について,既に以前の部会で議論はしているんですけれども,受託者監督人が受益者の認められた権利を行使することができるという趣旨--これはこれで構わないんですけれども,これが代理人としてなのか本人としてなのか。この辺は補足説明の中で議論されるのかもしれませんけれども。

 

あと,仮に裁判上も行使できるとなりますと,弁護士会という視点もあるかもしれませんけれども,訴訟信託的な部分もちょっと出てくるものですから,その辺の性格づけというか,定義づけを。制度としては全く反対ではないんですけれども,ちょっと確認したいと思います。

 

あと,これは確認的なことなんですけれども,第48の「善意の第三者に対抗することができない」民法と同じということで,それはそれで全然問題ないと思うんですけれども,判例上,民法の場合,例えば重過失もこの善意で読み取っていると思うんですが,全体を通じて,「善意」とか「知っている場合」と言う時に重過失をどこまで入れるのか。

 

 

場合によって重過失が入っている例と入っていない例があったりしますので,その辺は,なるべく民法の表現に合わせるというところで,あとは解釈論等に委ねるということなのかどうか,全体を通じてもうちょっと,そういうポイントがあり得るのかなと思った次第です。

 

 

 

 

 

 

3番目は,既に事務局から回答いただいたところとほぼ同意見なんですけれども,先ほど○○委員からあった第51の受益債権の取り扱いの乙案について,やはり信託債権,受益債権というのは,債権であることは,もうこの部会における議論では一貫して通しているわけですから,その内容として,配当受領権ということを1つおっしゃっていましたけれども,それは金銭債権的な性格を有しているところの受益債権の金額的な評価の議論という点もあると思いますが,条件的な面ということもあると思いますけれども,それによって債権があたかも株式のように法的な性格として劣後化するというのは,何か乙案自体がまたわかりにくくなるのかなと思います。

 

 

いろいろな考えがあるとは思うんですけれども。ですから,やはり債権である以上は債権としての規律という意味で,乙案,先ほどの事務局からの回答がよろしいかと思います。

 

前回,前々回でしたか,この辺は当部会で議論して,例えば信託財産の社債というんですか,信託債というものが認められれば,多少この現実的な需要が減るかもしれないという議論もあったかと思うんですけれども,現実において受益権というのが金融商品として,あたかも社債的受益権として流通しておりますし,受益権の監督的機能というのは,単なる債権以上に重要なものだと思いますので,それが場合によっては劣後化するということになりますと,実際に行われている実務にも,逆に悪影響--先ほども実務に悪影響すると言いましたけれども,違う実務に対しては非常に悪影響すると言いますので,その辺はよろしくお願いしたいと思います。

 

 

 

 

 

 

  •  まず第1点の,受託者監督人の権限行使はだれの名でするかという点でございますが,かつての資料には「自己の名」と書いてあったものもあった記憶がございますが,これは受益者が現存している場合でございますので,受益者の名で行う。したがって,一種の代理人的な形での権利行使になると考えております。

 

 

そうしますと,訴訟信託のように本人になるわけではないので,訴訟信託のような問題は生じてこないのではないかと考えているわけでございます。

 

 

それから,悪意あるいは重過失の書きぶりが整っていないという点は,まさにおっしゃるとおりでございますが,なぜか信託法は悪意・重過失を明示しておりまして,したがいまして,詐害信託のところですとか取消権のところは,それに倣って「悪意・重過失」と書いておりますし,今,御指摘のあった受益権の譲渡につきましては,一応民法の規定に合わせて「善意」と書いているわけでございますので,提案としてはこのとおり,今までの文言を踏襲して,あとは必要がある範囲で適宜,補足説明で対応するということで御容赦いただければと思っております。

 

 

 

最後の点につきましては,御意見を踏まえて,第51の整理に当たって検討して,補足説明に反映させたいと考えております。

 

 

  •  第48と第53かな,受益権の譲渡と委託者の地位の譲渡というか,移転について,これはあるいは受益権が有価証券化される場合の後の方の規定と関係するかもしれませんが,一部で投資家が受益者兼委託者というんでしょうか--になっている場合で,特別法で有価証券化されている場合が多いかもしれませんけれども,受益権が移転されると委託者の地位もついていくというのが普通の取り扱いだと思うんですけれども,現在の要綱試案の考え方は,第48で譲渡したら,第53で「委託者の地位もついていきます」とあらかじめ信託契約に書いておけばそれでいいのか,第53を見ても,何か受託者の個別の同意が要るように思えたりして。

 

 

あるいは,有価証券化されているような場合にはデフォルト・ルールとして,ただ,これも委託者兼受益者の場合ですけれども,原則ついていきますと。

 

 

ただ,信託行為で残したい場合は残すこともできますというようなことは,今の要綱試案では無理なのかというあたりを教えていただければと思います。

 

 

 

 

 

  •  まず,有価証券化された場合について申し上げますと,50ページのあたり,(注2)の一番最後のところに「受益証券の譲渡に伴う委託者の地位の承継に関する規律等を整備する」と。

 

 

この中で,○○委員から今,御指摘のあったような当然移転というものができますよという規律を設けますということを書こうかと思っております。

 

 

また,今,申し上げました信託法の定めで委託者の地位も移転できる。これは恐らく問題ないところかと思いますので,それもまた当然,信託行為で書けばいいという前提でございます。

 

 

委託者の地位の移転のところにつきましては,特に一身専属的であるということなどを強調されて,委託者の地位の移転ができないというような見解も非常に強いところかと思いますので,その中で最も問題が少ないであろう3者の同意というのを書きまして,これをやれば移転することを妨げないのだと。

 

 

そこだけ確認して,もちろん,では,その余の部分が反対におよそ何もできないのかというと,そうではなくて,そこは先ほど申し上げたような話があるという前提でございます。

 

 

 

 

  •  第45と第47の関係についてでございますけれども,先ほどの御説明の中で,例えば受益者集会の決議事項について,任意的な決議事項も認める趣旨であると言われたと思うのですけれども,信託行為に基づいて,何か新しい権利を認めるというような場合に,第45が適用されることになるのかどうか。

 

 

表題を見ますと「信託行為の定めによる受益者の権利の制限」この「信託行為の定めによる」というのは,恐らく制限だけにかかると思うのですけれども,この信託行為で創設した受益者の権利,これの制限については第45の射程の外であると理解していいでしょうかというのが第1点目の御質問であります。

 

 

 

  •  信託行為で単独受益者権として創設した場合でございますか。そのような権利を単独として付与しているという積極的な意思表示をしている以上は,それを制限することは難しいのではないかと思われるというのが直感的な印象でございますが。

 

 

 

 

 

  •  ここに挙げられていない権利を信託行為で創設したときには,それはもうどのような内容,単独にするのか多数決にかかわらせるのか,それはもうすべて信託行為で自由に決めることができる,そういう前提ですか。

 

 

  •  そこは信託行為の定め次第ではないかという理解でございます。

 

  •  今の御質問は,そのように信託行為である権利を創設したときに,権利の行使方法について定めが置かれていない,そういう信託契約がもしあったときに,そのような受益者の権利の行使の方法,つまり単独受益者権なのか,それとも多数決にかからしめられるのか,それは信託行為の解釈ということになるかと思いますけれども,デフォルト・ルールはあるのでしょうか,それともこれは,もしそういう定めがなかったときにはどのようにして受益者がその権利を行使すればよいのでしょうか。

 

 

  •  今までの事務局の考えでは,特にデフォルト・ルールを設けるわけではなくて,まさにおっしゃったとおり,信託行為の解釈によるのではないかと考えているところでございます。

 

 

余り明確な答えができなくて恐縮でございますが,信託行為の解釈次第かなという理解でございます。

 

 

  •  御確認したいのは,そのときに第45がかかってきて原則は単独だということには,もちろんならない,そういう理解でよろしいでしょうか。

 

 

  •  それは,なりません。

 

 

 

 

  •  2点目の御質問でございますけれども,受益者集会の制度と,それから受益者集会制度以外のその他の方法でという点の区別に関する御質問でございますけれども,書面投票制度については所要の規定を整備するということでございます。

 

 

それは31ページの(注3)に書いてございますけれども,例えば書面投票ではなくて書面決議というのは,受益者集会の枠の中で,その任意法規性の中で決められることと理解していいのか,それとも,これは受益者集会の枠は超えてしまって,第47の1に戻ってその他の方法になるのか,その点。

 

 

すなわち,書面決議の場合には,場合によっては物理的な集会は開かない,みんなとにかく書面だけで意見を出して,そこで決めてしまう。物理的な集会が必要か,必要でないかという点で,ここの(注3)で想定されております書面による議決権の行使とちょっと違う面があると思いますので,書面決議ということまで受益者集会の任意法規性の中で認められる趣旨かどうかを御確認するとともに,みなし賛成制度についても同じような御質問がありまして,このみなし賛成というのを受益者集会の中に組み込む,任意法規性の中で組み込むことが許容されると解されているのかどうかという点について,御確認させていただければと存じます。

 

 

 

  •  御質問の趣旨が十分把握できているかどうかわかりませんが,結論的なところだけ申し上げますと,書面による決議の制度,投票ではなくて決議の制度であれ,みなし承認の方法であれ,そこは受益者集会以外の方法として,いわば総論的に信託行為で定めれば,そのような制度を導入することも可能ではないかと考えているわけでございます。

 

 

あと,我々としては,前の提案では書面による決議制度についても一応の規律を多少設けておりましたが,ここでは一つのサンプルにとどまるわけでございますが,受益者集会の規律のみを定めまして,あと,その中で利用できるものについては,書面決議等についても満意を図っていただきたいという趣旨で考えているところでございます。

 

  •  ほかには,いかがでしょうか。

 

  •  第46の受益権取得請求権について,先ほど御意見があった⑥に関しては「受益者間の衡平を害する受益債権の内容の変更」と要件は設定しておりますが,この点については前回の御提案の中で,少数者は多数の決議に従うべきだということで,一理あるかなとも思うんですけれども,他方で,受益者の立場からしますと,この規律によりますと,受益債権の内容が衡平を害さない形であれば,いかように切り下げられても受益権取得請求権を行使できないということで,やや受益者にとって酷なのではないかという気がしております。受益者が,多数決によって受益債権の内容の切り下げを甘受しなければならないリスクを負わなければならないのではないかということで,全体の御議論等あろうかと思いますけれども,できればここについては,例えば「受益債権の内容の重大な変更」とか,そういった形での規律というのは案としてあり得ないかと考えております。

 

すみれ

「衡平っていうのも案があったんだ。権衛ってなんだろ。」

 

 

 

これは意見ですが,何らかの形で反映していただけると助かります。

2つ目は質問ですが,第49の受益権の放棄のところで,2の乙案を採用した場合。

 

御提案の内容は,当初から受益権を取得しなかったものとみなすということになっておりますが,この乙案を採用した場合に,受益者の方で将来のものだけを放棄することはできないのだろうか。その点の可否について教えていただければと思います。

 

 

もう一つ,第53,私益信託における委託者の権利義務等について,これまでの議論の経緯の中で,原則として委託者には監督権限等を与えないことをデフォルト・ルールとするという提案になっておりますけれども,特に弁護士会等で議論をしておりますと,やはり民事信託等の場面では,例えば受益者が未成年ですとか障害者である場合には,むしろデフォルト・ルールとして監督権限があるといった形の規律があった方が助かるといった意見も出されております。

 

 

 

そこで,そこを合理的な形で,何らかの形で限定して委託者に権限を残すということは考えられないか。

 

 

例えば,受益者が未成年ですとか受益者がいない場合とか,あるいは受益者が障害者等の場合に限って,デフォルトとしては監督権限を付与するということは考えられないかということで,そういった点についても,もし可能であれば御検討いただければと思います。

 

 

 

 

  •  とりあえず思い当たるところでコメント申し上げますが,まず,一番最初の「衡平を害しない」の解釈については,1度事務局の方で検討して反映させるかどうか考えたいと思いますが,ただ,一律に受益権の内容を不当に切り下げるというのは,場合によっては目的の変更に当たってしまうのではないか,そちらの条項で規律される場合もあるのではないかという気がしております。

 

 

 

 

あと,未成年者等につきましては,監督の必要性が高いというのはまさにおっしゃるとおりでございまして,御指摘のとおり,その場合に委託者の権利を残すというのは,一つの方法としてはあり得る選択肢ではあるわけでございますが,では,いかなる場合について切り分けるかというのがなかなか,未成年者ぐらいでしたらわかりやすい,あるいは,例えば目的信託等とか公益信託とか,そういう類型的なものであればいいのでございますが,保護の必要性が高いときには委託者の権利を残すというのは,なかなか切り分けが難しい。

 

 

 

そういたしますと,他方,御承知のとおり,受託者監督人というような制度も設けておりますので,そのような保護の必要性が高い受益者が出てきた場合には,利害関係人が監督人を選任することによって,委託者にかわってといいますか,委託者が本来やるべきような行為を受託者監督人が行使することによって,受益者を保護するという考え方があり得るのではないかと思うわけでございます。

 

 

  •  受益権の放棄については,私の理解が不十分だったのかもしれませんが,この乙案を採用した場合というのは,補償請求権というのは信託の外側になるので,それとはリンクしない……

 

 

 

  •  ここで提案いたしましたのは,自分の意思に反して利益を強制されることはないという原則が民法第537条にありますので,信託行為に定めを置くことによって第三者に利益を強制するのはいかんだろうということを考えておりまして,将来分についてだけ「もうもらいませんよ」というふうにする,それはできるのではないかとは思いますけれども,信託行為で定めて「もう絶対あなたにはこの利益をあげます」ということを書くのは無理でしょうということを書いているんですけれども。

 

 

 

 

  •  先ほどの○○幹事の質問で,受益者集会とか受益者が複数の場合の意思決定方法についてのところなんですが,31ページの(注1)で書いている「所要の規定を整備するものとする」という「所要の規定」は,完全な任意法規として整備するという趣旨ですね。

 

 

そうすると,例えば招集通知を行わない受益者集会というのも構わない。余りひどくなったら,そういうのはそもそも意思決定方法とは言えないからだめといった一般法的な公序良俗,今,何も規定のないような種類の団体の集会というのは,そういうふうに判断されるんですが,そういうふうにやる。

 

 

ただ,デフォルト・ルールに則れば,方法としてそれ自体が不適切なものとは判断されないという程度のありがたみのあるデフォルト・ルールを用意する,そういう御趣旨ですね。確認ですけれども。

 

 

番人

「ありがたみ、か。」

 

 

  •  そういう趣旨でございます。

 

  •  27ページ,第44,信託管理人等についての2番,受託者監督人の(2)で,「受託者を監督するために受益者に認められた信託法上の権利(第45の別表「受益者の権利」参照)」と書いてありますが,これは28ページの受益者の権利から1番,2番を除いたもの,そういう理解でよろしいんでしょうか。
  •  そのとおりでございます。

 

 

 

  •  それから,30ページの(注2)「特別決定事項に係る信託の変更権限を第三者に委ねた場合において,」こういう場合は受益権取得請求権の行使を認めるという記載ですが,これはまだ御説明されていない第54の信託の変更についてというところと関係しますけれども,第三者に特別決定事項に係る信託の変更権限をゆだねることができるかどうかについて,まだ検討するというような位置づけだったような私の記憶なので,ここは「第三者に委ねることができるとした場合」とか,そういうような意味なのかなと思ったんですが,ここは「委ねることができる」という前提をとったということなんでしょうか。

 

 

 

 

  •  今,御指摘の点でございますけれども,変更のところに関係するわけでございますが,後ほど御説明いたします変更の本文では,変更権を委ねることができるということを提案しておりまして,それを前提に書いているのが,この(注2)でございます。

 

 

ただ,第54の変更のところの(注2)で,変更権限を全然付与しないという選択肢はないと思っておりますが,一部制限することもあり得るということを付言しておりますので,そのような場合には,ここの(注2)も当然それに連動して影響を受けてくるということで,一体として読んでいただければわかるのではないかと考えております。

 

 

  •  受託者監督人の関係で,(1)の②,裁判所が選任する方法のところで「受益者が受託者を十分に監督することができないおそれがある」云々というところ,ここに言う受益者というのは,個々の受益者というよりも受益者全体を見て十分な監督が期待できない,そういうものという理解でよろしいでしょうか。

 

 

例えば十分に監督ができないような場合として,後見が必要なケースだとかそのような場合にも,後見人という形ではなく,受託者監督人という形で選ぶことができるということなんでしょうか。

 

 

 

私としては,そういう個別的な利益を保護するという制度と,それから,受益者全体としての利益を保護する制度というのはちょっと違うのかなと理解しておりましたもので,これは全体としての受益者の利益の保護のための制度--もちろん受益者が1人しかいないときは,それは当然1人だけの受益者の保護ということになるのかもしれませんけれども,そういうものだと理解していたんですけれども。

 

 

 

  •  御指摘のとおり,ここで考えておりますのは受益者全部ということでして,受益者が1人の場合は,当然その受益者となります。

 

 

  •  よろしいですか。ほかにいかがでしょうか。それでは,先にいきましょうか。

 

  •  続きまして,信託の変更と終了のところを御説明させていただきたいと思います。

 

変更のところでございますが,御説明したい点は2点ほどございます。

 

まず,これまでの提案におきましては,3者の合意を要しない信託の変更については太字の2でまとめて記載しておりましたが,ここでは(1)と(2)に分けて規律しております。

 

 

このように区別して規定いたしましたのは,(2)は,受託者の関与なく信託の変更がされる場合でありますところ,これまでの提案のように,受託者に信託の変更の通知がなされる前にも信託の変更の効力が生ずるといたしますと,受託者の利益を害するおそれがあると考えられるからでございまして,したがいまして,受益者と委託者が受託者に対して変更の請求をするという形にいたしました。

 

 

その結果の効力の発生については,(注1)にありますとおり,その到達したときに形成的な効力が生ずると考えているわけでございます。

 

 

2点目でございますが,(注2)につきまして,先ほどちょっと御指摘がありましたが,ここで合同運用信託のことについて記載しております。

 

これは一定の内容の信託の変更について,例外的に変更の方法の定めを許さないとした場合には,合同運用を行う信託については自由度が相当程度損なわれかねないということを指摘したわけでございます。

 

 

その反面といたしまして,例外的な変更方法に対する制限を加えないとすれば,合同運用を行う他の信託の受益者との共同の意思決定制度を導入する旨の定めを個々の信託に置くことによりまして,あたかも一つの信託であるように同様の状態をつくることができると考えておりますことを注で付言させていただいたところでございます。

続きまして,第55と第56でございます。

 

 

 

 

ほとんど実質的な変更はないわけでございますが,ただ1点,非常に細かいところでございますけれども,第55の2の(2)で「第54(2(2)を除く。)」と。

 

 

先ほど言いました委託者と受益者で,信託の変更を受託者に請求する場合を除くとしておりまして,信託の分割の場合におきましても同様に,2の(2)を準用から除くという規律を設けております。

 

 

信託の併合といいますのは,同一の受託者に係る複数の信託財産を,1つの新たな信託における信託財産とするものでございますが,受託者の関与がなく信託財産が変わってしまうのは妥当ではないと考えられますので,この2の(2)は除くことにいたしまして,両方で同じ手当てを行っているわけでございます。

 

 

すなわち,請求を受けてというよりは,受託者の方がむしろイニシアチブをとって,合同運用主体となるべきではないかと考えているわけでございます。

 

 

なお,これは単に語句の訂正ということで,将来的になるわけでございますが,ここで強制執行に関する第12の規定を,併合の中でも分割の中でも「第12の1(3)の①若しくは②」と書いてありますのは,先ほど御説明いたしましたとおり,第12の1の(3)及び(4)というように,いろいろなところにありますが,それは当然,全部平仄を整えさせていただく予定でございます。

 

 

 

 

続きまして,信託の終了の関係でございますけれども,まず,信託の終了事由につきまして,これは6点ほど御説明申し上げたいと思います。

 

 

第1点目でございますが,これまでの案におきましては,信託を終了させることが信託の目的に反しないことが明らかな場合において,受益者が信託の終了の意思表示を受託者に対して行ったときというのを挙げていたわけでございますが,これを削っているわけでございます。

 

 

すなわち,委託者と受託者が共同してでなければ終了の請求はできないということになるわけでございます。

 

 

なぜかといいますと,信託を終了させることが信託の目的に反しないと言えるかどうかは,必ずしも容易に判定できないと思われますので,このような場合には,裁判所に対する終了の申立てによることが合理的であると考えられるからでございます。

 

 

 

続きまして,これの反面といいますか,④におきまして,受託者が受益権の全部を固有財産で取得した場合についての終了原因の規律を追加しております。

 

 

これは従来,利益享受の制限のところで,前の方で規律していたものでございますが,終了原因になるものであることを明らかにするために,ここに位置づけを明らかにしたものでございます。

 

なお,かつての提案では「相当な期間」とだけ書いていたわけでございますが,その趣旨の明確化を図る観点から,「受益者と受託者を兼ねる状態を解消するのに必要な期間を超えて,」と文言を改めているところでございます。

 

 

 

 

続きまして3点目でございますが,③にかかわる裁判所に対する終了申立ての点でございますが,これは従来「信託の目的に適合しないこととなった場合」というのを,「信託の本旨」に改めている点でございます。

 

 

ここは①と③で同じ「信託の目的」を使っているという点で重複があったわけで,説明がなかなか難しい点でございましたが,ここでは「信託の本旨」と,「信託の目的」よりもやや上位概念であります文言を使うことによりまして,③の場合と①の場合との違いを明確にする。

 

 

すみれ

「信託の本旨の方が、信託の目的よりも上なんだ。」

 

 

実質的には,①というのは当然に終了してしまう場合でございますので,その場合はいささか厳格に規律いたしまして,他方,③の裁判所によって終了できる余地は,もう少し柔軟に認めていくべきではないかという考えに基づいているものでございます。

 

あとは(注1)(注2)(注3)にかかわる点でございますが,(注1)というのは,会社法で解散命令の規定が設けられましたので,それと同様に信託の終了をさせる規律を設けるかどうかを検討したいという点でございます。

 

 

それから(注2)でございますが,これは「受託者の一部が欠け信託財産管理人が選任されている場合の取扱いについては,なお検討するものとする。」と書いておりましたところですが,ちょっと書きぶりを明確化いたしまして,補足説明の方の13ページにございますが,「受託者の一部が欠け,その任務を他の受託者が承継せず,かつ,新受託者が就任しない場合」というように改めて提案したいと思っております。

 

 

その趣旨は,このような場合についても新受託者が就任しないまま1年が経過してしまうと,信託を終了させてしまうのかどうかという点が問題になりますので,この点を検討課題としたいということで,その趣旨は,一部が欠けて他に業務を承継する人がいない場合,したがいまして,形式的には⑤の場合に近いわけでございますが,そのような場合を終了事由として規定すべきかどうか検討課題としたいという点でございます。

 

 

最後に,(注3)でございますけれども,これまでは,信託終了の事由は委託者,受益者または受託者がこれを相手方に通知したとき等でなければ相手方に対抗できないという規律を提案しておりましたが,この1に挙げる終了事由のすべてについて,このような問題が適用されるわけではない。

 

 

例えば委託者と受益者が共同して信託の終了の意思表示を受託者にした場合には,3者が当然知っているわけですので,このような規律が適用になる余地がないと思われますので,このような観点から,すべてに適用されるものでもないと考えられますので,規定の整備についてどのようにするかは,なお検討したいということを明記したところでございます。

 

 

 

最後に,信託の清算についてでございますけれども,これにつきましては,細かい点でございますが,1点だけ補足して説明を申し上げます。

 

といいますのは,43ページの5と6の間でございますが,実は,従来はここに清算受託者の信託財産から補償を受ける権利というのがございまして,「清算受託者は,補償を受ける権利に基づき,信託の終了事由が生じた後に受益者又は帰属権利者に帰属した信託財産について強制執行等をすることができるものとする」という規定を置いていたわけでございますが,これを削除したという点でございます。

 

 

従来の提案の趣旨というのは,補償を受ける権利はあるけれども,それがわずかな額である。

 

 

他方,信託財産はかなりの巨大な額に上るというようなときには,とりあえずそれを引き渡しておいて,その上で,信託財産としての特定性が維持されている限りは強制執行等を許容するというものでございましたが,そもそも受託者としては,補償請求権,すなわち信託財産に属する権利を有している以上,その弁済を受けるまでは信託財産を引き渡さなくてもいいわけでございますし,また,受託者が受益者から費用等の補償を受けることができる場合には,このような規律に頼る必要はないと思われるわけでございます。

 

 

 

 

 

 

また,受益者から費用等の補償を受けることができない場合についても,先ほど言いましたように,引き渡さないでいることですとか,あるいは個別の費用の補償につき合意を得てから引き渡す等の対応をすることもできまして,それによって受託者は損害を防止することができると思われますので,この規律については削除したところでございます。

 

 

あとは,第59でございますけれども,信託財産の破産に関する規律の整備につきましては,これまでの審議の結果を踏まえまして,いわゆる有限責任信託を創設する場合には,信託財産の破産を設けることを本文に記載しました上で,それ以外の類型の,いわゆる一般的な信託についても破産制度を設けるかどうかについては,なお検討したいということを注で明記したところでございます。

とりあえずは,以上でございます。

 

 

 

  •  ただいまの終了のところまでで,いかがでしょうか。

 

 

  •  1点目は,信託の終了事由のところでございますが,先ほど○○幹事からの御説明で,終了事由のところで,信託を終了させることが信託の目的に反しないとされるかどうかは,容易に判定可能でない場合が少なくないということで,そこの部分を終了事由から削除されたということですけれども,一方,信託の変更の部分で,委託者の関与を不要とした形で信託の変更を認める際に,信託の目的に反しないことが明らかであるというような形のものを要件として入れられているということが1つと,もう一つは,裁判所が関与する場合につきましても,先ほど「信託の目的に適合しないこととなった場合」を「信託の本旨に適合しないこととなった場合」と変えられたということですけれども,信託の変更については依然,これは甲案に限定していますけれども,信託の目的に適合しなくなることという,ここの部分の平仄といいますか,ここについては特段の意味の変更があるのかないのか,そこら辺のところを教えていただきたいということが1点目です。

 

 

 

2点目は,信託の清算について,これも先ほど○○幹事から御説明がありましたが,清算受託者の信託財産から補償を受ける権利というのが削除されているということで,ここについてはそんなにこだわりはないんですけれども,信託の結了時に費用の償還請求みたいなものが判明しましたというときに,そもそもこれは取れるものなのでしょうか。

 

 

 

例えば不当利得であったり,そういう理由でもってもともと取れるということなんでしょうか。

 

 

それであれば,別に,清算の受託者の信託財産から補償を受ける権利がなくても,それは取れるんだなと思うんですけれども,その辺のところを教えていただきたいと思います。

 

 

  •  まず,信託の終了の方では信託の目的に反しないことが明らかな場合を削った。

 

しかし,信託の変更の方では,信託の目的に反しないことが明らかである場合には受益者と受託者だけでできるという規律が残っているのはなぜかという点でございますが,ここは終了の方が変更よりも重大な事項であるということで,終了の方の要件を重くしていると理解していただければ結構でございます。

 

 

 

それから,「信託の目的」と「信託の本旨」という言葉が食い違っているではないかという点がございますが,そもそも変更の方は両案併記という位置づけにとどまるものでございまして,必ずこの文言になると決まっているわけではないんですが,事務局の考え方といたしましては,信託の変更,特に管理方法の変更というのは非常に具体的,ある程度形式的なものでございまして,信託行為に具体的に書かれた信託目的によって左右されてしかるべきものではないか。

 

 

これに対しまして信託の終了というのは,信託自体を終わらせてしまうものでございまして,信託の管理方法の変更に比べれば非常に重大な事項でございまして,単に信託行為に書かれている具体的な目的にとどまらず,例えば信託が設定された経緯ですとか,それから関係者をめぐる周辺的な事情,あるいは社会・経済的な事情,判断が難しいことは重々承知の上で,しかし,そのような周辺的な事情も十分考慮した上で決すべきであるのがあるべき姿ですし,恐らく裁判所が認定するに当たっても,そのような周辺的な事情を全部考慮してやるのではないか。

 

 

書いてあることに基づいてのみ判断することはないのではないかということで,あえて上位概念である「信託の本旨」という文言を用いているところでございます。

 

 

 

 

なお,最後に御指摘がございました,清算についての規律を削ったというところでございますが,確かに,渡してしまった後に債務が発覚するとか発生するとかいうこともあるわけでございまして,補償請求権ですかね。

 

 

その場合につきましては,本来渡すべきであったもの以上のものを返してしまったことになるわけでございますから,事務局としては,不当利得を原因として,引き渡された帰属権利者等に請求していくことはできるのではないかと考えておりまして,その点につきましては,補足説明で言及していきたいと考えている次第でございます。

 

 

  •  ここで言う補償請求権というのは,両論で挙がっています信託外のところでの補償請求というようなことを考えているのか,もともと信託財産に求償すべきものがてきていないような状態で渡されるのて,その分については,別にそういう特約がなくても請求できると考えてよろしいんでしょうか。

 

 

 

  •  信託財産ですので,受益者の補償請求云々とは直接関係がないと思いますので,その甲案,乙案の問題とは別途,いずれにしてもできるという考えでございます。

 

 

  •  今の御質問に対するお答えの確認をさせていただきたいんですが,目的と本旨ですか,先ほどの御説明によりますと,目的というのは信託行為に書かれた,ないしは明示された目的というようなニュアンスでお答えになられたかなと,そして本旨というのはもう少し上位概念で,信託行為が行われた経緯などなどからさらにもう少し広く,どういう趣旨で行われたのかというのを指すというようなお言葉のように受け取ったんですけれども,そういう理解で本当によろしいんでしょうか。

 

 

 

 

 

 

「本旨」とか「目的」という言葉が出てきますのは,契約で言いますと債務のところでして,「債務の目的」という言葉も非常に多義的な言葉ではありますけれども,債務の内容と同義語で用いる場合というのはもちろんありますし,民法というのはそういう書き方をしているわけですけれども,しかし,債務の内容そのものとは別の意味で「目的」というのを使う場合もありまして,これが債権や債務というのは一体何のために,どういう目的で--まさに目標のようなものですね--で行われたのか,それを区別する言葉として使われる場合がある。

 

 

ただ,その場合でも,目的というのはあくまでも契約なら契約の内容になっている目的,個々の当事者の主観における目的というのはもちろんありますけれども,それとは別に,やはり契約の内容になっている目的がどういうものであり,それがまさに債権,債務の内容を規定してくるという理解だと思うんですが,いずれにしましても,「目的」という言葉を使うときには,書かれているかどうかは別として,その契約の内容になっている目的ということなのだろうと思います。

 

 

先ほどの御説明は,その目的よりはもうちょっと狭い,「書かれている」というニュアンスなのかなという気がいたしました。

 

 

そして,もう一つの「本旨」というのは,それとは違うと言われましたけれども,この本旨も,やはり契約の内容になっているものでないと考慮されないのではないかと思います。

 

 

そういう意味では,先ほど民法で申し上げた内容と区別された「目的」という言葉と「本旨」という言葉の間には,私は,本質的な差はないように思ったのですが,もう少しわかりやすく御説明いただけないでしょうか。

 

 

  •  今,○○幹事がおっしゃった話と○○幹事の話,非常に難しい話を含んでおりまして,よくわからないところがございますけれども,まず,○○幹事は,先ほど債権,債務の目的というようなおっしゃり方をしたかと思うんですが,私どもはどちらかというと,例えばここで典型的に申しますと,これは「信託契約の目的」と置き換えられる話であり,あるいは「信託契約の結んだ本旨」というようなつもりで使っているのかなという気がしております。そこが1点。

 

 

ただ,それで結論において何か違いが生じるのかはよくわからないところもございますが,まずそれが1点でございます。

 

 

 

 

 

そうすると,では,契約の目的といったときにどういったことを念頭に置くのか,あるいは信託の「本旨」か「目的」かで何か違うかというところでございますが,私ども事務局では,基本的には,「目的」と「本旨」は違いがあるのだという前提で考えております。

 

 

 

同質かどうかと言われると,性質的には余り変わらないのかもしれませんけれども,「本旨」の方が,より広いものを含む,つまり,広い内容を含むのだと。

 

 

この局面で申しますと,信託の終了というのは,まさにその契約を終わらせるべきかどうかという話でございますので,恐らくはその契約自体,あるいはこの契約の中で,受託者にどういう目的をもって信託財産の管理,処分に当たらせるのかというようなところとは少し違った事情を考慮しないと,その信託を終了させるべきかどうか判断しにくいのかなというようなところがございまして,その意味で,終了につきましては,「目的」というよりは「本旨」という言葉を使っております。

 

 

繰り返し申しますと,信託の目的というのは,基本的には受託者に対してどういうことをさせることによって,何を得ようとしていたのかといった話かと思うんですが,「本旨」と言うのであれば,それよりはもう少し広い事情を含むのではないかと考えているということと,そういう事情も踏まえることが信託の終了の裁判所の判断の局面では必要になるだろう,そういうことかなと思っております。

 

 

 

 

 

  •  「信託の本旨」とおっしゃっているものも,信託契約の内容であるということは変わりないのですね。
  •  契約の内容であるということの……

 

 

  •  一般的な一方当事者の意図とかそういうものではなくて,両当事者の,あるいは複数の当事者の合意された目的である,あるいは本旨であるという点は変わりはないのですねということです。合意の内容かどうかです。

 

 

  •  事務局を代表した答えになるかどうか,ここに来るともうよくわからないのでございますけれども,合意というのが,もちろん○○幹事がおっしゃっているのは,信託契約に記載したとかそういう趣旨ではなくて,恐らく契約を実際に締結するに至るまでにどういう事情を説明して,どういうことで受託者が「では,やりましょう」と言ってというようなところをいろいろ考えて,そんなところに全然出てこないような話,出てこないような主観面をもって「信託の本旨」と言うわけではないのだろうということをおっしゃっているんだと思いますが,そうであるとすれば,私は,同じ答えになるのかなと。

 

 

つまり,「信託の本旨」というのは契約の内容になっているという表現をとるべきなのかなという気がいたします。

 

 

すみません,うまい答えになっているかどうか,よくわかりませんが。

 

 

 

 

  •  もう補足だけですけれども,非常に微妙な概念の使い方なので,事務局の中では一貫しておられるんだろうと思いますけれども,受け取り手の側で混乱し,あるいは多様な使われ方をしてあらぬ方向へ行く可能性もなくはありませんので,もしこういう言葉遣いを区別してされるのであるならば,やはり慎重に,言葉の説明はきちっとされるべきだろうと思いますし,可能ならば,余り混乱が生じないように統一した方がいいのではないかと個人的には思いますけれども,その程度でございます。

 

 

  •  「目的」と「本旨」というのは,いろいろなところで苦労する概念でして,基本的には,単に一方当事者の主観的なものではなくて,やはりその信託を設定する……,契約で設定すれば,やはりその両当事者の何らかの意味での合意を本拠にする目的であり,また,本旨だと思うんですね。

 

 

 

いろいろな場面で使われ方が違うと思いますけれども,信託の終了のあたりが,先ほど信託の本旨も考慮しながらということでしたけれども,例えば,目的が達成できるかどうかなんていうのは,まさにこれは目的であって,本旨とはちょっと違いますね。

 

 

そういうところは明確なんですけれども,どこまできれいに明確にできるかといあたりが難しい。

これはまた○○幹事にいろいろ御意見を伺いながら,次のラウンドできれいにしていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

  •  先ほどの○○委員の御質問に対する○○幹事のお答えのもう一つの方なんですが,つまり,払い過ぎていた場合に後から回収できるか,不当利得になるかという問題なんですが,それは第58の6との関係はどうなっているのだろうかという気がいたします。

 

 

と申しますのは,6の最終計算でいきますと,払い足りない場合には,もはや払わなくていいはずなんですよね。にもかかわらず,なぜ払い過ぎた場合だけ取り返せるのだろうか。

 

 

計算書類を出して承認をしたら,それで終わりというのが6の趣旨なのではないだろうか,払い過ぎたときだけ取れるというのはおかしいのではないかと私は思います。

 

 

今,ここで解釈論を決めるべきだとは申しませんけれども,必ずしもそういう結論にはならないのではないかということは,一言しておきたいと思います。

 

 

  •  わかりました。6の関係で,確かにそのような考え方もあるということにつきまして,補足説明で付記させていただくということでよろしいでしょうか。
  •  はい。

 

 

  •  先ほど○○委員が話されたのは,ここで言っている信託の清算の議論なのかなと。

 

ある意味では信託契約の内容の議論であって,信託の清算というのはもう一歩後の議論なのではないかなと思います。

 

 

ですから,今の○○幹事の発言も,○○委員がおっしゃったシチュエーションというものが信託の清算であれば,承認の議論,出てきますけれども,そうでなくて,信託契約の内容としての信託事務の一環であれば,承認の議論は出てこないのかなと。

 

 

 

 

なぜそんなことを申し上げるかといいますと,もともと確認しようと思っていたんですけれども,あと,前回これが議論になったときに,これをデフォルト・ルール化できないだろうかというようなことを申し上げましたところ,事務局の方から,契約の中で信託の終了または信託の清算という法的な決められたものとは別途,契約上の規定として行使すれば,それはそれで済むわけであって,それがない場合,また,そのさらに先にこれが行われる場合の規定だからというような雰囲気ではなかったのかなと思います。

 

 

そのときには受益権と信託債権の優劣の議論もあったので,非常に重要な問題かなと思っていたんですけれども。

 

 

それで,同じことの繰り返しになりますけれども,とはいいながら,実際の信託契約の中では「信託の終了」という言葉も使われてきましたし,今後,信託法が改正になれば使いにくくなるのかもしれませんけれども。

 

 

あと,実際にこの清算とは違った形で終了して,契約上の清算といいますかね,清算と言わないのかもしれませんけれども,現務の完了が行われまして,そうすると,基本的に恐らく受益者が,帰属権利者ではないんですけれども,受益者に対して信託財産が交付されるという状況になりまして,そうすると,全く空の信託が最終的に残っているという段階でこの規定が適用になる,こういう理解でよろしいかどうかということと,仮にそうだとしても,その場合には,この規定でいくと,空であっても,やっぱり帰属権利者が要るという理解になり得るのかなと。

 

 

そうすると,委託者--あ,違いますね。信託事務の……,何を申し上げようとしたかというと,最終計算の清算のところで,受益者及び帰属権利者に対して承認を求めなければいけないというときの,空ではあるんだけれども,まだ帰属権利者を観念しなければいけないとすると,これでいくと,委託者になるのかなと思うんですけれども,そうすると,またここで,空の信託であっても委託者からの承認がもう一回必要になるというところで,本来,要らない委託者の関与というのが出てきてしまうのかなというあたりなんですけれども。

 

 

 

今の規定ぶりがいけないとか,何か書いてほしいということではなくて,そういう信託契約の中で,この信託法の規定とは別途,信託の終了についての取り決めをすることについては,それはそれで有効であるというようなこととか,空になったときの帰属権利者というのは,本来どう考えるのか,その辺を補足説明あたりで議論していただければと思うんですけれども。

 

 

 

 

  •  ○○委員がおっしゃいましたように,実際上,契約をいろいろ操作することによって,契約の終了事由が生じる前にいろいろなことを整理するという定めがつくられることもあるかもしれません。

 

 

ただ,恐らく先ほど○○委員がおっしゃったのは,そういう形をとらないで,純粋にここに普通に乗ってくるようにした場合を言われていたのではないかと思って聞いておりました。

 

 

それから最後,○○委員がおっしゃったような,終了事由が発生する前にいろいろな,実質的な意味での清算的な行為を済ませてしまおうということをやった場合にも,最後に帰属権利者たる委託者が出てきて計算の承認を受けなければいけないのではないか。

 

 

それはおっしゃるとおりではあるんですが,他方で,その委託者が出てくるのは法定帰属権利者として出てくるにすぎませんので,指定帰属権利者として適宜の受益者なら受益者なりがというのを定めることになるのではないかという気もいたします。

 

 

  •  信託の「目的」,それから「本旨」について,追加して意見を述べさせていただければと思います。

 

終了の事由として目的云々を当事者に判断させる,これはなかなか難しい話であるということが補足説明の方に書いてあるわけでございますけれども,当事者にとって判断が難しい,当事者がわからないものは裁判所にはよりわからないところでございまして,その場合に,やや危惧しておりますのは,例えば目的あるいは本旨とした場合に,裁判手続上の規範として機能するのかどうかという点が危惧しているところでございます。

 

 

 

 

 

 

特に,目的にしましても本旨にいたしましても,かなり抽象的なものになり得ますので,例えば「目的」を「こういうふうに考えられる」あるいは「ああいうふうにも考えられる」となりますと,結局,個々の案件で「まあ目的に反するとまでは言えない」というような判断に落ち着いてしまって,せっかくこのような制度を設けたにもかかわらず,制度として機能しないことにならないのだろうか。

 

 

特に終了の関係で申しますと,「目的」よりも,より抽象的な「本旨」という基準になっておりますので,それが機能するんだろうかというところが危惧されております。

 

 

ここについては○○委員も先ほど御指摘されましたけれども,その内容の具体化といいますか,そこを御検討いただければと。

 

例えば,変更にいたしましても終了にいたしましても,このような手当てが必要とされるような具体的な状況があると思うんですね。

 

 

番人

「家族信託だと、揉めそうな場合は合意で終了かな。」

 

 

それぞれのそういう状況が生じる類型ごとに,例えばこういう場合,こういう場合といった形の例示でも結構だと思うんですけれども,何か立法の段階でもそのあたりを入れていただく等も含めて,御検討いただければと思います。

 

 

  •  御指摘の点は検討課題として,補足説明で触れるか,あるいは今後,立法の過程で検討したいと考えます。

 

 

  •  まず,信託の目的と本旨の話に戻りましたので,一言コメントさせていただきたいと思うのですが,特に信託の終了の場合に,信託の目的よりもさらにレベルが高い概念として本旨というのを考えるというのは,例えばアメリカなどにおきましては,一定の節税の目的のために信託を選んだ。

 

 

 

ところが,その後,税制が改正されてしまって,信託契約を締結したまさにその信託の本旨,信託自体そのままやってくれて全く問題ないんですけれども,そもそも信託契約を選んだという,そこの本旨と申しますか,そのレベルで全く目的に適合しなくなったということはあり得るかと思いますので,私としては,言葉をどう使うかということはまた検討する必要があるかもしれませんけれども,

信託契約の内容とはまた別の次元での,何らかの本旨なり何かを観念するということは,意味のあることではないかと思っております。

 

 

 

 

 

 

 

第2点目は,信託の変更についてでございますが,これは御要望でございますけれども,信託の変更における4の裁判所に対する変更の請求と,それから受益者集会で決議があった場合との関係について,これまでも申し上げさせていただきましたけれども,この両者の関係についてパブリック・コメントで聞いていただければと思っております。

 

 

すなわち,受益者の意思決定の仕方も,受益者集会からその他の方法まで非常に多様なものがあるのですが,もし仮に非常に機能している受益者集会というものがあるといたしますと,そこで受益者集会が決定したにもかかわらず,他の受益者あるいは受託者等が4の要件を満たしているといって信託の変更を,あるいは裁判所に申し立てる。

 

 

例えば,受益者集会で変更しないと決めたときに,受託者がその変更を申し立てることもあるでしょうし,受益者集会の決議で破れた少数者が変更の請求を申し立てるということもあるかと思うのですが,私といたしましては,せっかく受益者集会で自治的,自立的な決定をしたにもかかわらず,そういう局面でまた裁判所に行く余地があるというのは,何となく受益者集会の制度,趣旨との関係で気になる点があります。

 

 

ただ,他方で,受益者集会が大幅に任意法規化されるとともに,その他の方法が認められていますので,そういう意味では,最後は裁判所に頼る途が残されていることも必要だと思うのですけれども,一定の要件のもとで,38ページの(注3)に尽きているかとは思うのですけれども,裁判所に請求するための要件の中で,こういった受益者集会の決議等があった場合についても,ぜひパブリック・コメントで聞いていただければと思います。

 

 

 

 

 

 

  •  わかりました。
  •  第57の1の①は★がついておりませんけれども,これは任意法規と考えてよろしいんでしょうか。

 

そもそもこれが提案されたときに,これは現第56条に倣ったものであるという御説明があったと思いますけれども,現行第56条であると,第59条の反対解釈として,強行法規なのかなとも思っておりますし,また,2つ目に,これは本旨か目的かという議論にもつながるかもしれませんけれども,ある意味①というのは当たり前の話なのかなと思っておりまして,仮にこれが,この御提案のように★がつかない任意法規だということであれば,信託の目的達成が不能であったとしても信託は継続するというような信託を認めるのか,ないしは,そういうことを定めれば,それ自体全体が目的であるから目的の拡大がというふうに解釈するのか,そこら辺はよくわかりませんが,いずれにしても,この①は任意法規かどうかを確認したいというのが1点です。

 

 

2つ目は,第59の破産でございますけれども,2つございまして,1点目は確認でございますが,注書きで「一般の信託についても整備するものとするかどうかについては,なお検討するものとする」ということでございますが,これは本文において,新たな信託類型としての有限責任信託を創設する場合において,なお検討するということなのか,仮に有限責任信託を創設しない場合には,この一般の信託ということは考えないのか。

 

 

 

また,これは全く別の問題として一般信託における破産を考えて,そのときの選択肢として有限責任信託の場合のみ定める,定めないという,そういうこともあるのか,どういう場合を想定されているのかをお知らせいただければと思います。

 

 

 

 

 

 

 

2つ目は,できれば検討していただきたいというお願いなんですけれども,従前から私ないしはほかの委員からも,簡易的な清算手続を願いたいという御意見があったと思います。

 

 

よって,本文の試案として書くのか,補足説明としてそういう意見があったというふうに書くのかは別にして,「簡易的な手続ないしは特別清算に倣ったような手続についても,なお検討する」というようなものをお願いしたいと思っております。

 

 

  •  最初の御質問は,強行法規でございます。①でございますね。★は,後で訂正します。

 

それから,最後におっしゃいました簡易的な清算手続というのは,破産手続の簡易な方法といった御趣旨でございますか。

 

  •  考え方として,もちろん清算手続の一環なのか,破産に関する規律の1形態なのか,また,その間の形態なのか,いろいろ考え方がございますけれども,一つの意見としてあったのは,特別清算に倣った手続ないしはそのような簡易な手続ということでしたから,そのような意見がパブリック・コメントにおいて承知できるように,補足説明,できれば意見として選択していただければありがたいんですが,それは別として,どこかに付言していただければありがたいと思っています。

 

 

 

  •  最後におっしゃいました信託財産の破産の関係,簡易な手続を設けてはどうかというお話。

 

 

確かに議論がございまして,○○委員から簡易なものをというお話があったかと思うんですが,部会の中では,どちらかというと消極的な意見が多かったということで,本文には入れていないということでございます。

 

 

ただ,おっしゃいましたように,補足説明の中でそういう御意見があったということは触れて,御意見をいただけるような状況にしたいと考えております。

 

それから,先ほど聞き落としたところがございますが,注の関係で,一般の信託についてはなお検討しますということにしてあるところの……,すみません,何とおっしゃいましたか。

 

 

 

 

 

  •  本文に「新たな信託類型として有限責任信託を創設する場合には」と書いてございまして,そこで注書きが出てきているわけですが,そこの関係がどうなのかという話で,あくまでも一般の信託における破産制度を考えるのは,有限責任信託が創設されることを前提としているのか,それとも有限責任信託の創設が,第59の提案でたとえ否決されたとしても,なお通常の一般信託において破産手続を検討することを考えられているのか,そこら辺はニュートラルなのか,そこら辺の御見解をお尋ねしたいということです。

 

 

  •  これは前回ですか,前々回かもしれませんが,部会で御議論いただいたところでございまして,有限責任信託を設ける場合には,破産の制度を設けることについては異論がない。

 

 

では,それ以外の場合についてどうするかというのはいろいろ御意見があったので,両様ですということでございます。

 

 

恐らくその中では,有限責任信託を設けない場合でも,信託財産の破産を一般の信託に用意することはあり得る選択肢だろうと思っておりまして,特にそれを否定するつもりはございません。

 

 

ただ,そこはいずれにしても,なお検討する事項ということでございますので,パブリック・コメントでの意見照会の結果を踏まえて,秋以降また検討することになろうかと思います。

 

 

  •  信託の変更の3で,別段の定めがあるときには変更の定めを認めるということで,(注2)で,変更することができる事項の範囲について制限を設けることができるかどうか検討することになっておりますが,制限を設けない場合について,従前の提案ですと乙案になろうかと思うんですけれども,その理解をしたいという趣旨の質問なんですが,その案によりますと,第三者に変更権限を与える規定というのは,一般的には民法の法理に反しない限り有効だと言った後で,その場合の権限行使がどこまで認められるかというのは,またもう一段,別の問題があるというのは第2読会等でも議論があったところかと思うんですけれども,その上で,こういった形の権限行使が認められるのか,あるいは限界に抵触するのかということで3点御質問したいと思います。

 

 

1つは,権限行使をして信託契約の内容を変更するという場合に,契約の同一性がなかなか認められないようなものへの変更はどうなのか。

 

 

2つ目は,信託目的の中で,目的に同一性が認められないものへの変更はどうなのか。

 

3つ目が,受益債権を変更する場合で,合理的な理由がこれといってないにもかかわらず受益債権を引き下げるような変更が認められるかどうか。

 

 

例えばこういった3つの点について,権限行使の限界という問題が生じてくるのか,その辺について御教示いただければと思います。

 

 

  •  ちょっと検討したいということですから,休憩後にお答えするということでよろしいでしょうか。

 

(休     憩)

 

  •  それでは,先ほどの御回答から。

 

  •  先ほどの○○幹事からの点でございますけれども,結局,信託の変更の権限を付与するのも信託行為によるものですから,信託の目的によって拘束されるものであろう。

 

 

そういたしますと,例として挙げられました同一性のないものへの変更とか,目的の同一性のないものへの変更というのは無理ではないかと思われます。

 

 

ポリー

「変更を超えてしまうということですかね。」

 

 

 

それから,受益債権の変更を合理的な理由もないのに一方的に切り下げるというのも,一般的な法理,権利濫用等の法理に照らして,やはり許されないのではないかと思われているというところでございます。

 

 

  •  それに関係して2つ御質問ですけれども,1つは,今のお話ですと,変更権の限界の根拠みたいなものがどこにあるのかということなんですけれども,結局,信託行為の定めによって授権の範囲が限定されるといった考え方になるんでしょうか。

 

 

それとも何かまた別の考え方になるのか,その辺の整理を教えていただければということ。

 

 

 

 

 

 

それから,もし限界があるといった場合に,変更行為の効力についてはどう考えればいいのか御教示いただければと思います。

 

 

  •  前者のお話,限界というのは,具体的な限界を設けるかどうかを提案にしているわけですけれども,そういうものがなくても,およそ信託行為を付与されるものである以上,終了のところでも議論があったわけでございますが,信託の目的の範囲で行使されるべきものであろうということで,その「目的の範囲で」というのが一種の暗黙の制限かなと考えているわけでございます。

 

 

さらにその中で具体的に制限を設けるかどうかは,いろいろな議論があり得るのではないかと理解しているところでございます。

 

 

それから,仮に違反した場合については,それは変更権限の行使が無効だということですので,変更がされていないものと同様になるのではないか。

 

 

 

したがいまして,関係者は変更がないものを前提に請求していくことができるのではないかと考えているところでございます。

 

 

  •  今の変更権限の限界あたりの問題について,できればパブリック・コメントの説明の中で多少なりともコメントしていただけると,ちょっと議論がしやすいかと思うので,御検討をよろしくお願いいたします。

 

 

  •  その点は配慮したいと思います。
  •  併合と分割について,1つは,例えば新規信託分割(仮称)というのは,後の方で信託宣言についてどういう立場をとるにせよ,これによる信託宣言と同じですよね。これは常に認めるという趣旨でよろしいかと。

 

 

それから,もうちょっと一般的な質問の仕方をしますと,この効力発生時期はいつなのか。

 

 

注を見ますと,例えば,分割の方で言いますと「分割をする時期」と書いてあるんですが,これをアナウンスすれば,そのときに財産関係も移動してしまうのか。通常ですと,例えば有価証券の場合には,紙がある場合にせよ,振替制度の場合には口座ということですけれども,紙であれば渡さないと移転しませんし,口座であれば口座の記録を書き換えないと移転しませんけれども,この場合はどうせ受託者名義なわけですから,宣言すればその段階で,A信託から分離してB信託に移ってしまう,その移る時期は自由に決めていいということでよろしいかどうかというあたり。

 

 

 

 

 

もう一点は,非常に細かい点なんですけれども,債権者保護手続を踏む場合の格別の催告というのを仮にしなかった場合には,その効果としてどういうことをお考えなのか。併合とか分割が無効になるということまでお考えなのか。

 

 

 

これは感触で結構です。私が誤解しているかもしれません。

 

  •  まず1点目の,新規信託分割によって新たな……,受託者の中でその信託を分割するのが信託宣言になるかというお話ですが,すみません,ちょっと御質問の趣旨ですが,委託者と受託者が同一である信託を設定するのが信託宣言で,1つの信託財産の中にある信託財産に2つに分けて,A信託をa信託とb信託に分けて,それで受益者は別々に1つの信託に対して受益権を持ち続けるという話になるのですが,それが信託宣言かというのは,委託者は……,受託者が同一……。

 

 

  •  厳密な意味での信託宣言そのものではなくて,信託宣言を設定するのに非常に近いではないかという御趣旨だったと思いますけれども。

 

 

  •  とにかく受託者の一方的な決定でできる場合があるわけですよね,手続としては。

 

 

ですから,受託者の一方的な決定で,いわば委託者の同意も何もなく,もちろん委託者も受益者も何もなく信託をつくり出せる,そういう意味ですね,今,○○委員がおっしゃったような意味で。

 

 

そして,その時期まで選んでいいかというのが関連しての質問です。

 

  •  時期については,差し当たりこの提案では,新規信託分割とか吸収信託分割をする一定の時期を定める定めの中で自由に定めまして,それで,その時期が来たら受託者はそういうような分別管理義務をしなければいけないという義務がかかっていくということになろうかなと。

 

 

したがって,それをしなかったことによって何かおかしなことが起きたら,受託者は責任を問われることになっていくのかなと思います。

 

 

それから,債権者保護手続の関係につきましては,これも商法の債権者保護手続とどこまで平仄をとった考え方をするということだと思いますけれども,例えば併合で,債権者を害するおそれがないことが明らかでないにもかかわらず債権者保護手続をしなかったということであれば,原則に帰って無効だと考えるのが論理的であるかなとは考えております。

 

 

 

  •  いろいろな考え方があるのかもしれません。損害賠償だけで解決するとか,幾つか考え方があるのかもしれませんけれども,原則は無効にするということですかね。

 

 

さっきの併合,分割と信託宣言というのは,恐らく時期が大きな問題で,同じ受託者でというか,右から左に移して違う信託にしてしまうということですから,ある意味で,外からよくわからない。

 

 

そういうことで,どの時期に信託が,あるいは別な信託になったのかはっきりわかった方がいいのではないか,そういう含意がおありだったと思います。信託宣言にも共通の問題があると思います。

 

 

ほかに,いかがでしょうか。--よろしゅうございますか。

それでは,先に進みましょう。

 

 

 

 

  •  続きまして,民事信託に特有なルールというところ,第60からの御説明に移らせていただきます。

 

 

第60は何も変更がございませんので,このままでございます。

第61も,特に御説明すべき変更点はございません。

 

第62でございますが,これは従前の部会で後継ぎ遺贈型の受益者連続の問題についての検討は重要であって,独立の項目として議論すべきではないかという御指摘が多々ございましたことを踏まえまして,新たに独立の項目として,部会での議論はまだ十分されていないことでございますので,とりあえずパブリック・コメントで意見を聴取したいと思っているところでございます。

 

 

 

一般的に,受益者を複数の者にするのは後継ぎ遺贈型でなければ問題ないわけですが,ここで書いてありますような,夫が生前は自分を受益者とし,死亡後は妻を,妻の死亡後は長男を,まあだれでもいいわけでございますが,そのような第二次的な信託というんですかね,そこのところが後継ぎ遺贈型ということで問題になってくるのではないかと理解しているわけでございます。

 

 

 

 

 

学説を見ますと,後継ぎ遺贈と受益者連続の信託は異なるんだから,民法上,後継ぎ遺贈が無効でも受益者連続は有効であるという考え方と,民法上,無効であるならば信託法上は有効だとしたとしても,結局,最終的には無効と解すべきであるという説があるところでございます。

 

 

 

民法上,無効と解する説の重要な根拠は,1つは,存続期間を定めた所有権は認められないというものでございますが,しかるに信託法上有効という立場からは,これは,受益権というのは期限を定めることも,あるいは帰属者を変更することもできるのであって,期限付の所有権を創設するものではないという反論があるところでございます。

 

 

一方,民法上,やはり無効であるという立場からは,後継ぎ遺贈というのは相続法上の秩序を意思で曲げるものであって,それは信託の場合であっても何も異ならないんだから,結局,民法でできないものが信託でできるというのはおかしいのではないかということで,無効とならざるを得ないと結論するものだと思われます。

 

 

 

この点につきましては,まだこれから御議論を,特に9月以降いただくことになるかと思いますが,とりあえず,一つの問題として立てた上でパブリック・コメントに付したいということで,第62とさせていただきました。

 

 

第63,第64は,いずれも相続人の権利・義務が特に重要になるところでございますが,いずれも変更はございません。

 

 

甲案,乙案両論併記といたしまして,とりあえず関係者の皆様の意見を聴取したいと思っているところでございます。

 

 

 

 

 

次に,営業信託のところでございますが,第65は変更ございません。

 

第66,有限責任信託につきましては,中身自体は何も変更はございませんが,(注1)のところで,この有限責任信託というのは何か一般の方にはわかりにくいのではないかということで,いわば定義的なものといたしまして,取引債権ですとか所有者責任のようなものについては限定される,そうでなくて第709条のような責任については,これは受託者の固有財産も責任を負うということを明らかにして,パブリック・コメントに付したいと思っているところでございます。

 

 

それから,第67,有価証券化のところでございますが,ここの変更点はまとめて1点でございまして,2の(3)と(4)の,受益者名簿の作成と対抗要件のところでございます。

 

 

今回の提案は,記名式の受益証券を発行したときは受益者名簿が要る,無記名式なら要らないというのが1点と,受託者対抗要件につきましては,記名式は受益者名簿の記載であって,無記名式は占有による。第三者対抗要件は,いずれも占有によるというものでございます。

 

 

御承知のとおり,かつては対立する形で乙案として,無記名式でも受益者名簿を作成するとか,あるいは受託者対抗要件としては,無記名式でも名簿の記載によるといったような提案を併記していたわけでございますが,ここでの審議の結果を踏まえまして,従来の甲案に一本化させていただいた次第でございます。

 

 

続きまして,第68から最後まででございますが,まず,信託宣言でございますけれども,甲案,乙案,丙案を併記してパブリック・コメントに付すところは従来と変わりがないところでございまして,重要な問題でございますので,一般の意見をいろいろ聴取した上で,最終的に部会の結論を出していただきたいと思っているわけでございます。

 

 

 

 

 

 

ただ,ちょっと変えましたのが,(注)の2の最後のパラグラフのところでございまして,これまでの提案におきましては,委託者または受益者が,その信託の設定が債権者を害するものでないことを証明しない限り,委託者に対して信託の設定前に債権を有する者は信託財産に強制執行ができるという形を提示しておりました。

 

 

すなわち,債権者の方で委託者に詐害意思があることの立証責任を負うものではなくて,委託者または受益者の方で,委託者の詐害意思がないことを証明しなければならないと提案していたわけでございますが,詐害信託取り消しの場合におけることと平仄を合わせまして,債権者の側に債務者の,委託者の詐害意思についての証明責任を負わせるという方向に提案を改めているというものでございます。

 

 

 

第69,目的信託も非常に難しい問題でございますが,従来通りの内容の両案併記という形でパブリック・コメントに付したいと思っております。

 

 

第70につきましては,公益法人法制につきましてはある程度方向が定まってきつつあるところでございますけれども,公益信託につきましては,公益法人法制の改正の動向を踏まえた上で,9月以降,慎重に御検討をいただきたい。

 

 

前回の議論では,主務官庁制の廃止というのはおおむねそのような方向ではないかというお話もあったわけでございますが,とりあえず現時点では,まだ十分な審議もしていないところでございますので,パブリック・コメントについては,このような形で付させていただいてはどうかと提案させていただくものでございます。

 

 

 

  •  それでは,今の範囲について御意見を伺いたいと思いますが,いかがでしょうか。

 

 

 

 

  •  後継ぎ遺贈について,パブリック・コメントに付するというのは当然のことかもしれませんけれども,今回の補足説明が,両説ある理由を書いている趣旨でそうなっているのかもしれませんけれども,やや「相続秩序に反する」という説明が強くて,当然これに対する反論というのは私が申し上げる必要もなくて,幾らでも考えられるところでして,やはりもうちょっと対等に議論していただいた方がいいのかなと。

 

 

 

いわずもがなですけれども,民法の秩序というのは,信託そのものが民法の秩序に反しているという議論もあって,別に相続だけの話ではなくなるわけですし,受託者という所有者というのはちゃんと存在していますから,物だけが自然に動いていくといいますか,物に意思が伝わって物が死者の意思を承継していくわけではありませんし。

 

 

 

すみれ

「信託の秩序もあるのかな。」

 

 

 

あと,そういう理屈だけの議論ではなくて,実際にこれを必要としている障害者の例でも,高齢者の例でも,弁護士として遭遇する相談事例でもいろいろありますから,今回これを認めていただくことが,やはり今回の信託法改正の目玉でもある。

 

 

両説あるのは当然わかります。ですから,議論としては,なるべくこれが必要とするような背景とか,その辺もぜひ議論していただきたいし,理屈を言えば,別に遺留分というのは計算できる。

 

 

計算は多少困難かもしれませんけれども,相続があるわけですから遺留分は計算できるわけですし,法定相続人に対する法的な期待権というのもあるわけではありませんし。

 

 

 

 

 

 

ですから,相続秩序というのは非常に強い言葉ですけれども,それを具体的に議論していくと,またいろいろと反論がある。両方に反論があるかもしれませんけれども。ぜひ前向きな形での補足説明であってほしいとお願いします。

 

 

 

あと,信託宣言のところなんですけれども,私も議論に参加したかつてのところですと,当部会においては,もちろん反対説,慎重説もあったかと思うんですが,大方において非常に前向きな議論であったかと記憶しております。

 

 

 

 

提案ですから甲,乙,丙という形で併記されるのはやむを得ないことかとは思うんですけれども,実際に当部会においても非常に前向きな議論でありましたし,それは理屈上も,先ほどの○○委員の議論,理屈上も別にそういうところ,受託者が委託者になるということは理屈上も,あと再信託の議論でももう既に存在しておりますし,ですから,そういう理屈の面ではもう問題ないはずですし,そうすると,実態として信託宣言が必要かどうかというところになりますと,今までの部会の議事録とか,また,今後出る議事録を見れば全部議論されてはいますけれども,これがグローバルなスタンダードですし,実際に,第三者からの預かり金というものを信託宣言によって保護することが受益者のためですし,民事信託的な場合であれば,弁護士の預かり金であればそれは依頼者の保護になりますし,これを否定する必要性はなくて,これがあることによって世の中,非常にスムーズにいくことが今後,幾らでも考えられると思うんですね。もちろんそんなことは今さら議論しなくてもあれなんですけれども。

 

 

 

番人

「グローバルスタンダード?」

 

 

ですから,その辺をわかりやすく説明していただかないと,「信託宣言」という言葉自体が信託契約とは全然違うもの。

 

 

ところが,実際には先ほどの信託の併合,信託の分割,または再信託のところで,信託契約という形において実際に法的には同じことをやっているわけですから,何か全然違うもの,異質なものを導入しようとしているんだからというところで議論が入っていくと,実際の社会的なニーズというところを斟酌されないおそれもあるのではないか。

 

 

そんなことをこの場で申し上げてもしようがないんですけれども,ぜひパブリック・コメントに付すときの補足説明においても,今までの議事録等に反映されているところの,この信託宣言を必要とする社会的な,また今後のニーズ,今後の発展みたいなものをぜひ強く言っていただければ,かように思います。

 

 

あと,若干細かい点で,信託宣言のところで質問がありまして,丙案のときの一定の要件というところで,幾つか要件が書かれておりますけれども,前回の議論にもありましたけれども,自益信託型の信託宣言を考えたときの,当初,委託者兼受託者が信託受益権を譲渡した後の受益者との関係なんですけれども,委託者のところに信託宣言をしてとどまっている場合においては,(注)の2に書いてあるように,もともと同一人格ですから,詐害行為取消しをするまでもなく救済できるというのはわかるんですけれども,受益者のところに行った段階では,もともとのこちらの第3の2と同じ規律に服する,こういう理解だと思うんですけれども,その辺でよろしいかどうか。

 

 

 

 

 

 

一定の要件というのが,今後,逆に厳しくなり過ぎてしまって信託宣言が非常に,受益者がいつ取り消されるかわからないみたいな状況になると,また使いにくいものになってしまいますから,あくまで受益者が登場した段階では,通常の規律と同じところに服するんだというあたりも,ちょっと確認がてら質問させていただきたいと思います。

 

 

 

  •  まず,最後のところにつきましては,受益者が登場した段階では,そのとおり,第3の規律に服する。

 

 

3者同一の場合,一定期間存続することは認められるわけでございますが,その場合でも,信託財産としての独立性を付与されますので,信託財産にかかっていけるか受益権にかかっているかという点の違いはありますが,実質的には同じであるというのは,おっしゃる趣旨のとおりでございます。

 

 

その後,受益者が出てきたときには第3の2の規律に服するということで,御理解のとおりかと存じます。

 

 

あと,信託宣言につきましては,部会でのこれまでの審議を踏まえて補足説明に反映していきたいと思います。

 

 

賛否両論あったところでございますが,それぞれの主張の根拠となる点,あるいはニーズになる点なども含めて記載していきたいと考えております。

 

 

 

受益者連続につきましては,これは我々としては,まだ議論も十分されていないものですから,虚心坦懐に中立的に書いているつもりでございまして,現段階で一方の方向性を押し出して補足説明を書くというのも,なかなかどうかなという気がいたしますが,一方に偏っているように受け取られない表現を心がけていきたいと思っているところでございます。

 

 

  •  表現の仕方が難しい。

 

 

 

 

  •  1点は,今の後継ぎ遺贈についてですが,第62の書き方だけがほかと違っていまして,「~ものとする」ではなくて,あるいは甲案,乙案でもなくて「どうか」と聞いていますのは,これはまさに審議をしていないからという前提だと思いますので,そこは別に○○委員に反対する趣旨ではないんですけれども,ニュートラルに書く。

 

 

もし細かく書いていくとなると,今度は何世代まで認めるかという,細かいその先の議論なども出てきますから,そこはできるだけ意見が出やすいような形にしていただいたらいいと思います。これは一般的なことです。

 

 

もう一つは,もう既に出ているかもしれませんけれども,第60以下について,民事信託を主として念頭に置いた規律関係,あるいは営業信託を主として念頭に置いた規律関係というようにブロックをつくっているわけですが,このブロックをつくったことに何か特別の意味があるのかどうか,今,御教示いただければと思います。

 

 

  •  御承知のとおり,今まではまとめて提案していたわけでございますが,いささか整合性を欠く順番づけになっていたということで,まず,ある程度意味のあるところをまとめて書きまして,かつ,この我々の信託法の改正というのが決して一部分のみを見ているわけではなくて,信託全般を見渡しているものであるということを一般の方によりよくわかってもらうためには,ある程度,民事信託を中心としているもの,それから商事信託を中心としているもの,それにかかわらず総則的なものと分けて書いた方が誤解を避ける上でいいのではないかということで,あえて章立てをさせていただいたということでございます。

 

 

 

  •  将来,法律の中でもこういう形式になるということまでは,含意していない。

 

  •  それは,違います。例えば信託宣言などは,もし入れば前の方に来るでしょうし,有限責任信託も,民事でも絶対ないというわけでもないですし,それは必ずしも一致しているものではございません。

 

 

あくまでパブリック・コメントに付す場合に,一般の皆様に正しく理解していただくための配慮でございます。

 

 

  •  重箱の隅を虫眼鏡で見るようなことを言って申しわけないんですが,49ページの第67の2の(5)の関係で,この間,民法が現代語化されたときに,民法第192条に正式な見出しがついて,「即時取得」になったんですよね。新会社法で株券のそれについてどう書いてあるのかは,私,見ていないからわからないんですが……,ですから,やはり「即時取得」なのではないでしょうか。私がどちらがいいと思っているということではなくて。

 

 

  •  信託法にとっては,もう善意取得……,即時取得でしたっけ。

 

  •  ちょっと今,私もこれ調べていて,有価証券のときは「善意取得」と書いている例が多いんですが,これは有斐閣の見出しがそうなっているだけで,必ずしも丸括弧の法律的な見出し,法律の中の一部である見出しではないので,ちょっと御確認いただきまして,あれしてください。

 

 

 

 

 

  •  確認させていただきます。

 

  •  今の件,商法の第五百二十何条かには見出しはついているはずですので,会社法改正の整備法での商法改正をごらんいただくと何か書いてあるはずだと思います。私,知らなくて申しわけありません。

それから,○○委員がおっしゃったことに触発されて,私もこの資料をいただいたときにちょっと気になっていたんですが,前回欠席してしまったものですから。

 

 

営業信託と民事信託というふうに分けているんですけれども,私の頭では民事信託も営業信託になるので,例えば信託銀行が後継ぎ遺贈を,こういうものをやるというのは幾らでも今後,期待できまして,その場合は営業信託になると思うんですね。

 

 

ですから,言葉にいちゃもんをつけるという趣旨では決してありませんけれども,ちょっと誤解を招くかなという気がするので,では何か名案はあるかと言われますと,ないんですけれども,一応感想として申し上げておきます。

 

 

  •  厳密な意味では正確な表現ではないんですけれども,先ほど○○幹事が言われた趣旨,私と少しニュアンスが違うかもしれないけれども,例えば今回の改正においても,余り民事信託について重点的に議論していないのではないかというような意見に対して,この部分などを強調することに意味があるということだと思いますね,1つは。

 

 

 

  •  そのとおりです。
  •  表現が正確かどうかという点は,少し検討してみる余地はあると思いますけれども,何かいい表現の仕方があればお知恵を拝借できればと思いますけれども。--今の○○委員の御意見も踏まえて,ちょっと検討させていただければと思います。

 

 

ほかに,いかがでございましょうか。

  •  第66の有限責任信託ですけれども,基本的には,新しい類型の信託について中心に書かれていまして,既存の分については,もちろん注で書いていただいて,御検討いただくというようなことが書いてあるんですけれども,多分この場の議論においては,私個人の認識だけかもしれませんけれども,議論があって,例えば有限責任性を明示するとか,合意するとかといった議論もあって,ある一定の方向性なり対立点が出たように思うんですけれども,そういうことを踏まえますと,1つの案として立てていただいてもいいのではないかと考えております。

 

 

もう一点,先ほど来,出ています民事信託と営業信託のところについても,私自身も何となく違和感を感じておりまして,民事と商事という分け方でもないし,営業,非営業という形でもないので,あとはまさに民事信託--ここで書かれている民事信託というもの自体についても,○○委員が先ほどおっしゃいましたけれども,やはり信託銀行もこれから注力していくようなものでありますので,何となく違和感を感じております。

 

 

 

とはいえ,私自身も全然いいアイデアがないものですから,その辺のところも御意見を申し上げるにすぎないわけですけれども。

 

 

もう一点,特殊な類型の信託というのは,まさに特殊だからということで入れていただいているのかもしれませんけれども,そのところで,特殊だからここの部分を何とかしましょうというような御意図があるということではないですよね。

 

 

 

  •  別に特段の意図があるわけではなく,ほかにうまく入らないからということでございます。

 

あと,有権責任信託のところでコメントをいただきましたけれども,部会の審議におきましては,我々の認識といたしましては,今,○○委員がおっしゃった「合意した場合」というのは,いわゆる有限責任特約を結んでいる場合で,今と特に変わらないであろう。

 

 

問題は,一方的に一定事項を明示した場合に有限責任になるかどうかというところでございますが,そこについては,審議の過程では決して一義的に決まるものではなくて,賛否両論あったと理解しているわけでございます。

 

 

そういうことで,あえて1項目を立てるということではなくて,なお検討事項として注に落としているわけでございまして,このような,どちらかというと有限責任信託に類型を設ける点に比べると,注の位置づけでいいのではないかと認識している次第でございます。

 

 

あと民事信託,商事信託は,文言が確かに余りよくないという……。例えば「信託の民事的利用」とか書けばいいんですかね。ちょっと考えたいと思いますけれども。

 

 

  •  すみません,余りこだわりませんけれども。

 

有限責任の部分につきましては,そこはちょっとこだわりがありまして,基本的には,有限責任というもの自体が認められるかどうかは,もう今の御時世では当たり前のことかもしれませんけれども,それを明確化するのが一番最初に考えたことでございまして,そういう観点からすると,それを前面に出していただきたいというのが1つと,それと,対立があったということは,そういうことが前提にあって対立があってということであれば,例えば甲案,乙案で立てていただいてもいいのかなと。

 

 

私どもの方は別に合意でもいいと申し上げておりますけれども,そういう立て方もあるのかなと考えております。

 

 

  •  今,おっしゃった点は,有限責任特約の効力が果たして信託法上,きちっと認められるのかどうか懸念があるということでございましたら,それは我々としては,特約を結べば物的有限責任の効力が生ずるということについては問題ないと考えておりますので,その点を補足説明できちっと論じていくことで対応したい。

 

 

それ以上にということは,ちょっと御容赦いただければという理解でおりますが,よろしいでしょうか。

 

 

  •  最終的にはお任せいたしますけれども,先ほど○○委員からもお話がありましたけれども,破産のところも問題もありますので,例えば新類型かだめになりましたといったときに,それでそのものもありませんよということになりますと,全く何もないという話で,それでは破産の規定など要らないではないかという話にもなりますので,その辺のところをお含みおきいただきたい。

 

あとはお任せいたします。

  •  しかるべく対応したいと思います。

 

 

 

 

  •  弁護士会の立場として。

民事信託でも有限責任信託を,弁護士が受託者になる場合は当然使うことを考えておりますから,営業信託のところでこれ入ってくるというのは非常に,整理の仕方がないにしろ,逆に有限責任信託は特殊類型に入れていただいても構わないと思いますので,ぜひ。

 

 

そうでないと,なかなか民事信託を弁護士が弁護士業務としてやることは,なかなか難しくなってしまって,それによって弁護士が困るだけではなくて,一般の方も困る状況になり得ると思いますので,よろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

  •  この辺は,微妙な問題があるんですね。

ほかに,いかがでしょうか。

 

  •  第68の信託宣言について,若干のお願いでございます。

丙案に関しましては,前回の議論で丙案の(注)の2の手当てというのが倒産隔離を害するのではないか,従前の場合は特にですね--という意見がありまして,今回,考証責任を転換したという御配慮があったことは非常に評価できることだと思いますが,これでいいかということについては,なお議論があるところだと思います。

 

 

ここは,この(注)のところで「例えば,」と書いてありますので,そこは事務局も御認識だとは思いますけれども,まだ丙案における手当てというのが本席においても,私の認識としては,まだ「これでいい」というものがないという認識でございますので,補足説明のところでは,この点においてはまだいろいろな議論があり得るということを付言していただければありがたいと思っております。

 

 

  •  事務局としても,まだいろいろな案があり得るなという中で,一つの例示として挙げているということですので,そこはきちっと明示して対応したいと思います。

 

 

 

  •  ほかに,いかがでしょうか。よろしゅうございますか。--おかげさまで,一通り中間試案に向けては御議論いただいたことになります。まだいろいろ,御議論いただいたものをまた反映させるという作業がありますけれども,これはこちらに一任していただければと思います。できるだけ皆様の御意見を反映させたいというふうには考えております。

 

 

  •  それでは,本日の会議はこれで終わります。

-了-

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

すみれ・ポリー・番人

「お疲れ様でした。欄の花って、水に浸しておくと枯れにくいんですね。」

 

 

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